物理学研究の図書を点字本に 点訳専門家らが協力

大型加速器を説明する触図(高エネルギー加速器研究機構提供)

 物理学研究の成果を視覚障害がある人たちとも共有しようと、高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)などが、入門書「宇宙と物質の起源『見えない世界』を理解する」の点字版を作った。点字データはインターネットで無料公開し、表面を触ってたどる「触図」を全国の大学図書館にも寄贈して普及させる考えだ。

 同書は138億年前に宇宙が誕生し、そこから物質、地球、生命が生まれた過程などを解説している。点字版は、3月に発刊した書籍版の本文の点字訳と、図解の触図で構成。今回は執筆段階から、視覚・聴覚障害者向けの国立大、筑波技術大(同市)に所属する点訳専門家らが協力した。

© 一般社団法人共同通信社