10年ぶりの続編『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』で感じた“新生BioWare”の鼓動…!メディア限定クローズドデモをレポート

10年ぶりの続編『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』で感じた“新生BioWare”の鼓動…!メディア限定クローズドデモをレポート

2014年11月にリリースされた『ドラゴンエイジ:インクイジション』の続編『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』が、10年ぶりのシリーズ新作として発売されます。 アメリカ・ロサンゼルスで開催されたSummer Game Fest Play Daysにて、開発者による1時間のデモンストレーションをチェックしてきたので、本記事ではデモで垣間見えたゲーム内容や印象をお伝えします。

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10年ぶりの『ドラゴンエイジ』新作!

『ドラゴンエイジ』シリーズは「セダス」という大陸で起こる騒動を舞台にした中世ヨーロッパ風ダークファンタジー作品です。 2009年に第一作の『ドラゴンエイジ:オリジンズ(Dragon Age: Origins)』がリリースされ、2012年に『ドラゴンエイジ2(Dragon Age II)』、2014年に『ドラゴンエイジ:インクイジション(Dragon Age: Inquisition)』が発売されました。

過去3作のストーリーでは約10年ほどのセダスの歴史が語られており、『ドラゴンエイジ』の重厚な歴史や世界観は多くのファンを生み出しています。Game*Sparkは過去に『ドラゴンエイジ』の歴史をまとめた記事を公開しているので、そちらも参照してみてください。

そして10年ぶりの続編となる『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』には、前作で失踪したエルフのソラスが登場。彼は過去に犯した過ちを償うために、人々の命が脅かされる大惨事を引き起こそうとしており、それを食い止めようとかつて共に旅をしたドワーフの“ヴァリス”と新たな主人公“ルーク”たちが魔法都市ミンラーソスで聞き込みをしているところから物語がスタートします。

キャラクリの奥深さはシリーズ最高

今回のデモは、製品版のストーリーの冒頭部分と全く同じ構成になっているとのことで、ゲームを始めるとまずはキャラクリから始まります。

選べる種族は人間/エルフ/ドワーフ/クナリの4種。本作ではシリーズで初めて種族制限が撤廃され、どのような体格でもカスタマイズができるようになりました。 髪型も豊富に用意され、自分好みの外見を制作できるようになっています。

キャラクリではウォーリアー/ローグ/メイジの3クラスを選べます。本作では、各クラスに3つの派生系も用意されています。例えばローグを選ぶと、そこから近接特化のデュエリスト、遠距離特化のレンジャー、ガジェット特化のサボタージュから自分のプレイスタイルにあったものを選べます。

本作において、BioWareはファンと何度も意見を交わし、特に要望の大きかったキャラクターのバックストーリー要素を復活させることも決意。 主人公がゲーム開始までにどのような人生を歩んでいたか決定し、会話の選択肢や特定勢力と友好的、もしくは反抗的になったりとゲームに変化が発生するそうです。 なお、本作には6つの勢力が登場し、そのうち2つは完全新規の勢力とのこと。

また、前作『ドラゴンエイジ:インクイジション』の主人公をキャラクリすることもできるそうです。その時の選択次第では本作の開幕の仕方にも影響があるということです。

コントラスト上げまくりで明暗が強調されたダークファンタジー

主人公を作り終わるとミンラーソスの酒場で一悶着が起きます。ソラスはミンラーソスのどこかにいるのですが、ここはテヴィンター帝国の首都なので、個人の力では探せません。 そこで新キャラクターかつコンパニオンである探偵“ナーブ”に捜索を依頼。ところがナーブと連絡がつかなくなってしまったので、酒場の女店主と大量の用心棒と対面して居場所を聞き出そうとしている状況です。

ここで『ドラゴンエイジ』ならではの会話選択肢が発生しますが、デモンストレーションでは招待客の多数決でその都度決定していきました。すでに完成度が高いビルドだからこそ、その場の意見に合わせて臨機応変に対応できることを端的に表しています。

結局、酒場では大乱闘を繰り広げることになるも、ナーブは行方知れずのまま。前作から再出演の“ハーディング”も加わり、ナーブの手がかりを求めてミンラーソスを練り歩くことに。YouTubeで公開されたゲームプレイ動画はここからスタートしています。

ミンラーソスは巨大な街なだけあり、建物が多くそのどれもが美しく、空に浮かぶ巨大な宮殿や聳え立つ巨像や高層建築物などが暗闇のなかで怪しく照らされ、華やかではあると同時に圧迫感と恐怖も感じさせられます。

『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』はレベルデザインや構造物などを全て手作りしているそうで、ライティングにも拘りが感じられます。 特にコントラストが激しいので暗い部分がより強調されてダークファンタジーの雰囲気が押し出されています。

気持ちよさを求めたリアルタイムアクション

下段からルークのアビリティを選択可能。

そんなミンラーソスでソラスが儀式を始めた為に、悪魔が大量発生。襲われている人々を助けつつナーブも合流。ルーク、ヴァリス、ハーディング、ナーブの4人のうち3人で、戦闘を繰り広げていきます。

ローグを選んだルークは二刀流で敵を切り刻んでいきます。アクション性は非常にキビキビしていて、カメラ視点は『ドラゴンエイジ: インクイジション』より『ドラゴンエイジ2』に近い印象です。アニメーションのリアルさを追求しつつ、アクションの気持ちよさを優先するためにモーションキャンセルを取り入れたそう。 実際に観ていると戦闘の楽しさが感じられて早くプレイしたくなります。

アクションが苦手な人でも戦いやすいよう、アビリティを選ぶときは画面がフリーズしてじっくり選択することも可能。コンパニオンは直接操作できませんが、左右にはコンパニオンのアビリティ、上には通常攻撃を選ぶUIが配置されています。難易度も変更できるので、ストーリーを楽しみたい方も安心です。遊びごたえのあるアクションを求めているプレイヤーなら、アビリティにショートカットを割り当てることもできます。

デモではまだ一つのアビリティしか解禁されていませんが、アビリティを解禁していくとコンパニオンのアビリティと組み合わせることでコンボも発生するので、コンパニオン同士の相性を探求するのも楽しそうです。

敵の体力には属性シールドのようなものが付与されていて、まずは相性の良い攻撃でシールドを削らないと体力をなかなか削れません。 遠距離攻撃を当てる必要がある敵もいるのですが、全キャラの遠距離攻撃は時間経過で回復するので、いつまでも攻撃できないというシチュエーションは少なそうです。

コンパニオンとの恋愛要素に新展開

公式YouTubeチャンネルで公開されているものは筆者が観たデモンストレーションのショート版で、話の流れは基本的に同じものの、選択肢の結果によって展開が異なっていました。また『ドラゴンエイジ』といえばコンパニオンとの恋愛要素ですが、今回も用意されていてヌードシーンもあるとのこと。また、設定からコンパニオンとの恋愛要素をオフにすることもでき、その場合はコンパニオン同士がくっつくこともあるそう。 何そのラノベにありそうなやつ。

デモンストレーションではYouTube版より先の展開まで観ることができ、非常に気になる終わり方で幕が閉じました。 実は筆者は先立って公開されていたキャラクター紹介トレーラーが『ドラゴンエイジ』にしてはトゥーン寄りな描写で、ひょっとして今作は自分に合わないのではないか……と危惧していたのですが、実際に動いているゲームを観たら完全な杞憂と終わりました。同席していた海外別メディアの知り合いにも話を聞いてみましたが、やはり同じ感想を語っており、『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』は長年求めていたBioWare復活の狼煙になるかもしれません。 ゲームの中盤以降はどのようなアクションやストーリー展開が待っているのか楽しみです。


『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者(Dragon Age: The Veilguard)』は2024年秋にPlayStation 5/Xbox Series X|S/PCでリリース予定です。

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