藤田譲瑠チマ、澤穂希、川淵三郎「お宝」公開【現地撮】中村敬斗の「美しい」アシストに東京ドームが燃えた夜 日本代表「W杯2026アジア2次予選シリア戦」

W杯アジア2次予選のシリア戦、19分に堂安律が追加点を奪う。東京ドーム敷地内の「blue-ing!」も大歓声に包まれた。撮影/原壮史(Sony α1使用)

6月11日、夜7時14分に試合が始まったFIFAワールドカップ2026アジア2次予選「日本×シリア」。「エディオンピースウイング広島」入りしたサッカー批評編集部スタッフを尻目に、記者が向かったのは東京ドーム。そう、我らがジャイアンツを応援するためだ。というのは冗談で、東京ドーム敷地内にあるJFAサッカー文化創造拠点「blue-ing!」で日本代表戦を観戦しようと考えたのだ。

■ゲストである元日本代表の播戸竜二氏が登場

大スクリーンがあるイベントスペースでSAMURAI BLUEを応援しようと、試合1時間前には施設の前に長蛇の列ができていた。ユニフォームを着た親子連れからワイシャツ姿のサラリーマン、ワイワイ元気な大学生、サッカーに一家言ありそうな渋いシニアまで、客層はさまざま。ピタッとした日本代表のユニフォームを着てヘソや背中をチラ見せする妙齢の女性たちが、野球ファンの女性よりも美しく見えるのは、記者がサッカーを愛しすぎていることだけが理由ではないはずだ。
キックオフ40分前には、ゲストである元日本代表の播戸竜二氏が登場。軽妙なトークで会場を盛り上げる。また、イベントを訪れた人々にはビンゴカードが配られ、播戸氏が活躍したと思われる選手に対して「ビンゴール!」と叫ぶと、その背番号の数字を手元のカードで開けて、ビンゴゲームに挑戦できる仕組みになっている。景品は、サイン入りのユニフォームなど、サッカーファンにはたまらないものばかりだ。
また、会場では、日本サッカー協会の宮本恒靖会長も試食会に参加したという、フードを食べながら観戦することもできる。中でも、オススメはSAMURAI BLUEをイメージした青いバンズが特徴の「SAMURAI BLUEバーガー」(990円)と透き通る南国の海のような「SAMURAI BLUE スカッシュ」(550円)。

この日は、日本代表戦ということで残念ながら用意がなかったが、なでしこカラーのイメージカラーであるピンクをイメージした「なでしこエビ勝つバーガー」(990円)や「なでしこピンクスカッシュ」(550円)などもあるという。もちろん、生ビール(660円)やレモンサワー(660円)、ハイボール(660円)などの用意もあるので、酒好きの皆さんも心配はご無用だ。
真っ青なバンズとトマトの赤の対比が美しい、そして口からハミ出る大ボリュームの肉汁したたるパティにかぶりつきながら観戦していると、その瞬間が訪れた。

ゲストの播戸竜二氏の「ビンゴール!」と「オバンザーイ!」の掛け声に、人々は大盛り上がり。©JFA

■日本代表キャプテン3人の「貴重すぎる!」お宝

前半12分、遠藤航のボール奪取から、南野拓実の横パスを受けた中村敬斗が左サイドを駆け上がると、ゴール前に左足で絶妙なクロスを入れる。自分より背の高い相手ディフェンダーに競り勝って豪快に頭で叩き込んだのは、6月6日のミャンマー戦で出番のなかった上田綺世だった。
そして、19分、再びゴールが生まれる。キーパー大迫敬介からの難しいパスを受けた中村がなんとか胸で落とすと、中央の久保建英にスルーパス。そのボールを久保がドリブルで運びながら右サイドの堂安律に送ると、堂安はフェイントで相手DFをかわし、相手ゴールキーパーの逆をつくコントロールショットで、ゴール右隅のネットを揺らした。

その後の展開は皆さんもご存じの通り。森保監督はキーパーまで交代させるという大胆な采配を振るって、5-0の完勝。最終予選に向けた幾多の可能性を試しつつ、2次予選を無失点(クリーンシート)無敗で終えたのだった。
なお、同施設には、日本サッカー界のお宝が数多く展示されている。最新技術を駆使した体験コンテンツなどが楽しめる「ディスカバリー」エリアには、U23アジアカップで優勝した、U23日本代表キャプテンでMVPの藤田譲瑠チマ選手のキャプテンマークやユニフォームがさっそく展示されていた。

U23アジアカップで優勝し、トロフィーを手に喜びを爆発させる藤田譲瑠チマ。撮影/渡辺航滋(Sony α‐1)

また、なでしこジャパンが世界一に輝いた際の澤穂希選手のキャプテンマークやユニフォーム、川淵三郎キャプテンが現役時代に着ていた日本代表のトレーニングウェアなども展示されている。日本サッカーが歩んだ歴史を、その目で確認してみてはいかがだろうか。
それにしても播戸さん、あれほど活躍した中村敬斗選手に、なかなか「ビンゴール!」を出さなかったのは、どうしてでしょう。「イケメンだから嫉妬したんじゃん」などと、記者の周囲にいた美人サポーターたちから邪推する声が上がっていましたよ(笑)。
それと、記者の体感でしかありませんが、先発メンバーが発表された際、歓声が最も大きかったのは久保建英選手と田中碧選手、それに加えて、君が代を聞きながら涙を浮かべていた森保一監督だったことを付け加えておきます。

© 株式会社双葉社