現役FPがネット銀行の特徴とメリットを詳しく解説
2024年5月から、JR東日本グループのネット銀行として、JREバンクがサービスを開始しました。
ネット銀行には、SBI新生銀行、楽天銀行、GMOあおぞらネット銀行、イオン銀行、auじぶん銀行など、その他数多くの種類があります。
ネット銀行は、銀行によって、手数料や金利、サービスが大きく異なります。
今回は、ネット銀行の特徴を確認し、銀行を選ぶ上で覚えておきたいポイントについてご紹介します。
積立投資などの利用で口座開設を検討している方は、ぜひチェックしてみましょう。
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【最新】みんな「何」で選んでいる?ネット銀行に関する意識調査
今回は、最新の意識調査の結果をチェックしながら解説していきます。
マイボイスコム株式会社が「インターネットバンキングに関する調査」を実施。
調査概要は以下の通りです。
- 調査期間:2024年1月1日~1月5日
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:9290名
- リリース公開日:2024年4月12日
【推移】インターネットバンキングの利用経験者は約75%
今回の調査における、インターネットバンキングの利用経験者は75.4%でした。
推移をみると、年々経験者の割合は増加していることがわかります。
なかでも「現在利用している」の割合は69.0%をマーク。とくに40歳代・50歳代男性ではそれぞれ8割弱、男性60歳代では75%と高い結果となりました。
一方で「利用したことがない」は24.5%。10歳代・20歳代の女性と70歳代の男女で、4割弱みられました。
年々増加傾向にあるネット銀行、そのメリットとはどこにあるのでしょうか。
次の章では、ネット銀行の特徴を解説していきます。
【現役FPが解説】ネット銀行のメリットとは?特徴まとめ
まずは、大手メガバンクや地方銀行と、ネット銀行の違いを確認していきます。
大手メガバンクは、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などを指し、日本全国に支店があり、実店舗を構えています。
それぞれ支店には、営業時間に銀行員が常駐しています。ATMの操作方法を教えてくれたり、各種手続きを行ってくれたりなどに限らず、お金に関する相談もできます。
また、地方銀行は、横浜銀行、静岡銀行、広島銀行、福岡銀行など、地方都市を中心に実店舗を構えている銀行です。
メガバンク同様、各支店に銀行員がおり、地域密着型できめ細やかなサービスを提供しているのが一般的です。
ネット銀行には登録上の「支店」がありますが、基本的に銀行員が常駐する実店舗を持っていない特徴があります。
また、ネット銀行はお金の振込みや預入れなど、インターネット上でほぼ全ての手続きを行います。たとえばネット銀行の専用のアプリを使ったり、パソコンで専用ページにログインする必要があります。
ただしネット銀行においては、複雑な手続きについても支店の銀行員に相談するのが難しいというデメリットがあります。
たとえば、預金者が亡くなり相続手続きをしなくてはならない場合も、必要書類の揃え方や書類の書き方など自分で調べて行わなければならないケースが多いでしょう。
相続手続きを頻繁に行うような方は少ないので、複雑な手続きに戸惑う人もいるかもしれません。
銀行員に相談することができるメガバンクや地方銀行の方が、イレギュラーな対応の際には使いやすい可能性があります。
さらに、ネット銀行はメガバンクや地方銀行に比べて、一般的に振込手数料などの各種手数料が安い特徴があります。これはメガバンクや地方銀行のような支店を持たない分、人件費など経費を大幅に削減できるためです。
ネット銀行は、銀行員の方に相談ができないなどデメリットがありますが、その分だけ手数料のネット上での完結や手数料面でのメリットがあるといえるでしょう。
次の章からは、実際にネット銀行で利用されているサービスや銀行選定時に重視するポイントを意識調査から読み取っていきましょう。
【意識調査】みんなが利用するサービス&選定時に重視するポイントは?
特徴をおさらいしたところで、ネット銀行でよく利用されるサービスや、口座を選ぶ時のポイントを意識調査からチェックしていきましょう。
インターネットバンキングで利用するサービスとは?
インターネットバンキングで利用するサービスを(複数回答)で尋ねた結果は下記の通りとなりました。
「口座情報の照会・明細の確認」が利用経験者の84.9%で最多。
つづく「振り込み・送金」が78.8%、「ネットショッピングなどの決済」「口座振替」が各30%台をマークしました。
インターネットバンキング選定時の重視点
さらに、インターネットバンキング選定時の重視点を尋ねた質問に対しては、下記のような理由が挙げられました。
「手数料が安い(または無料)」が利用経験者の69.9%、「銀行に取引口座がある」「信頼できる」が44~45%、「24時間リアルタイムで利用が可能」が31.9%。
実際の声としては、下記のような意見が集まっています。
回答者のコメント
- 「他行振込無料、証券会社との連携の良さ、金利の良さ」(男性48歳)
- 「ポイント還元率、関連ECサイトでの購入に割引特典がつきやすい」(男性56歳)
- 「コンビニのATMでの入出金にも対応しており便利。対象の取引をするとポイントが貰える。など理由は様々」(女性37歳)
- 「条件によって他行振込手数料の無料回数が増えて便利、金利が店舗を構えてる銀行より高い」(女性58歳)
- 「同銀行間などの振込など手数料が無料。24時間利用できる」(女性59歳)
次の章からは、ネット銀行を選ぶポイントを現役FPが解説します。
知っている人だけが得をする!「ネット銀行」を選ぶポイント
では、実際に、ネット銀行に口座を開設する場合、どの銀行を選んだら良いのでしょうか。ネット銀行を選ぶ際のポイントを確認していきましょう。
- 手数料や金利を確認
- 相性が良いクレジットカードやポイントサービス、特典を確認
- ネット銀行の使用目的を明確にする
1.手数料や金利を確認
まずは、ネット銀行の手数料や金利について確認しておきましょう。よく振り込みを行う振込先銀行と相性が良いと、手数料が安く済む場合があります。逆に、他行で相性が悪いと、手数料が高くなってしまうケースもあるでしょう。
また、メガバンクの場合、普通預金の金利に違いはありませんが、ネット銀行の場合、普通預金の金利も銀行によって異なっています。
できるだけ金利が高いネット銀行の方が、ただお金を置いておくだけでも、お金が少しずつ増えていきます。
2.相性が良いクレジットカードやポイントサービス、特典を確認
ネット銀行の場合、相性が良いクレジットカードや、ポイントサービス、証券会社などがあります。グループ会社の金融機関に統一すると、ポイントが貯まりやすかったり、特典が受けられたりとメリットがあります。
例えば、楽天銀行は、楽天カードや楽天証券と併用すると、ポイントが貯まりやすくなります。
auじぶん銀行は、Pontaポイントを貯めることができるので、auカブコム証券で投資をしている人や、auのスマートフォンを使っている人もお得に感じるでしょう。
また、最近スタートしたJREバンクは、JR東日本のサービスを受けることができる特典を実施しています。普通列車グリーン券を無料で利用できるSuicaグリーン券がもらえるなど、JR東日本のユーザーにとっては嬉しい特典です。
現在利用しているクレジットカードを確認したり、新たにネット銀行とクレジットカードをセットで新規契約したりすることを検討してみましょう。
3.ネット銀行の使用目的を明確にする
特典が魅力的だからといって、闇雲にネット銀行で口座開設を行うのはNG。口座開設をしている銀行が増えれば増えるだけ、お金の管理が複雑になります。
それぞれの銀行に貯金が分散されてしまうと実際今全部でいくら貯金があるか分からなくなったり、毎月全体でお金をいくら使っているのか収支が見えにくくなります。
ネット銀行の使用目的を明確にし、多くても2~3社にするなど、自分が管理できる範囲内で、ネット銀行を利用しましょう。
まとめにかえて
インターネット上でほぼすべての手続きを実施できて、利便性が高く手数料の安いネット銀行は、忙しい私たちにとって強い味方です。
しかし、直接銀行員に相談するのが難しい、複雑な手続きも自分で行わなければならないなどのネット銀行のデメリットをしっかり覚えておきましょう。
自分が管理できる範囲内で、ネット銀行を活用していきたいものですね。
参考資料
- マイボイスコム株式会社「【インターネットバンキングに関する調査】現在利用している人は7割弱。利用経験者のうち、「口座情報の照会・明細の確認」を利用する人が約85%、「振り込み・送金」が8割弱」(PRTIMES)