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青いジャケットに込められた思いとは――。小池百合子東京都知事が12日、都知事選(20日告示、7月7日投開票)への出馬を表明し、構図が固まった。同日に立憲民主党を離党した蓮舫参院議員を筆頭に、広島・安芸高田市の石丸伸二前市長、元航空幕僚長の田母神俊雄氏ら40人以上が首都の顔を目指して論争する。関係者は「〝小池か否か〟の選挙です」と指摘している。
3期目の出馬を表明する大舞台だけに勝負服の緑を着用するかと思われたが、小池氏が選んだのは青色のジャケットだった。この日の都議会最終日で発言を求めた小池氏は、2期8年を「新型コロナウイルスとの戦い、東京2020五輪・パラリンピック競技大会の開催など、歴史に残る都政に文字通り全身全霊をかけて取り組み続けた日々でした」と振り返った。
一方で、少子高齢化や人口減少、自然災害や女性活躍、デジタル化という課題が残っていると指摘。「東京大改革を成し遂げてこそ達することのできる持続可能な社会の力強い歩みを今ここで止めてはなりません。もっとバージョンアップさせて東京大改革3・0を進めていく。その覚悟を持って都知事選への出馬を決意しました」と意気込んだ。
都議会後の報道対応では普段の倍以上の報道陣が殺到。緑色の服装ではないことを問われた小池氏は「今は公務をしっかりとしているので、それはそれ。メリハリをつけた対応をしていきたい」と、議会に選挙を持ち込まない意図があったと説明した。
同じことは出馬表明のタイミングにもいえるという。小池氏周辺の関係者は「『都議会初日に出馬表明するつもりが蓮舫氏の出馬で先送りにした』と言われているが、そもそもそんな話はなかった。出馬表明するなら最終日。初日にやったら議会に影響を与えてしまう。議会の質問が選挙のことになってしまうでしょう」と明かした。
その上で、青いジャケットだったことについて、「粛々と、淡々と選挙をするという意思の表れでしょう。選挙本番は緑を着るでしょうが、(出馬表明は)特別なことじゃない。今まで通りやるという姿勢です」(同)と分析した。出馬表明も小池氏にとっては通過点で勝負どころではないわけだ。
もはや都知事としては横綱。ほかの候補者に胸を貸すという選挙になる。都議会関係者は「メディアを中心に今回の都知事選について、〝小池VS蓮舫〟という報じられ方をされているが、石丸氏や田母神氏などほかの候補者に失礼だ。小池氏は2期8年間にわたり都知事をしており、正確には〝小池か否か〟という選挙でしょう」と指摘した。
野党系の候補者として期待されて出馬表明した蓮舫氏だが、公約発表が行われていないこともあり、先出しジャンケンによるスタートダッシュができたとは言い難い状況だ。
前出の小池氏周辺の関係者は「小池氏はもともと右にも左にも批判されてきた人だが、蓮舫氏が手を上げたことで、小池氏を嫌っていた保守の人も『それなら小池で』となっている。むしろ蓮舫氏が出てきたことはプラスになるかもしれない」とそろばんをはじいている。
小池氏サイドにとって一番の頭痛のタネは支援を明言している自民党の不人気かもしれない。