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【パリ五輪メダル有力競技 ココが見どころ】バドミントン
【女子ダブルス、女子シングルス編】
前回2021年の東京五輪は「史上最強布陣」で臨み、男女とも全種目でのメダル獲得を目指しながら、混合ダブルスの渡辺、東野組の銅メダル1個と期待を裏切った。
日本代表を率いて5大会目となる朴柱奉ヘッドコーチ(59)は、代表メンバーが出場するシンガポールオープン、インドネシアオープンで結果を残して世界ランキングを上げ「しっかりシード権をもらって有利に試合ができるようにしたい。東京五輪のリベンジができるように」と、雪辱を期す。
スポーツライターの平野貴也氏に、バドミントンの行方を占ってもらった。
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■女子ダブルス
男女合わせて全5種目で代表を派遣する今回のメンバーのうち、最もメダル獲得を有力視されているのが、女子ダブルス世界ランキング4位の志田千陽(27)、松山奈未(25)の「シダマツ」ペアだ。
今年3月には伝統の全英オープンで準優勝。決勝で同2位の白荷娜、李紹希組に敗れたものの、ファイナルゲームに持ち込む粘りを見せ、格上ペアをてこずらせた。
「ディフェンスの強いタイプが多い日本の女子ダブルスにあって、シダマツにはスピードがあり、速い打ち合いでも勝負できるペアです。最近は前衛の松山が後衛もこなすようになり、攻撃のバリエーションも増えてきた。今、一番勢いのあるペアと言ってもいい。実力は世界1位の陳清晨、賈一凡(中国)ペアに近づいており、この中国ペアが現状、もっとも対戦したくない相手ではないか」
東京五輪5位で、世界ランク7位の永原和可那(28)、松本麻佑(28)の「ナガマツ」ペアも上位進出をうかがう。
「永原(170センチ)、松本(177センチ)とも長身を生かした攻撃が武器。日本が1種目で2個のメダルを獲得する可能性があるとすれば、この女子ダブルスでしょう」
山口茜は自分自身との闘いに
■女子シングルス
世界4位の山口茜(27)は3度目の出場で初の表彰台を狙う。東京五輪は準々決勝敗退に終わったが、世界選手権連覇(21、22年)、全英オープンで22年優勝、24年準優勝と主要国際大会で結果を残してきた。ただし、23年秋以降は負傷に苦しんでいる。
「山口はコンディションさえ万全であれば、十分に金メダルを狙える実力があります。ライバルの安洗塋(韓国)も故障を抱えており、この種目も世界ランク上位5人までがメダルを争うだんご状態になることも予想されます。東京でメダル獲得を期待された山口は自国開催のプレッシャーから、思うようなプレーができなかっただけに、自分自身との闘いになります。22年世界選手権決勝で東京五輪金メダルの陳雨菲(中国=現世界2位)を破って優勝した時のように、心身の状態さえ万全なら上位勢とも互角に渡り合える。安との差はほとんどないと思います」
世界11位で五輪初出場の大堀彩(27)はダークホースだ。23年10月のアジア大会では東京五輪銀で同5位の戴資穎(台湾)、続くフランスOPでもリオ五輪金メダルで世界3位のカロリーナ・マリン(スペイン)を破るなど、大物食いで世界を沸かせてきた。
169センチの長身から放たれるカットの切れ味は世界トップレベル。格上と好勝負を演じてきたことが自信につながり、五輪でも上位勢の一角を食って、勢いに乗れば、メダルも見えてきそうだ。(つづく)
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