ステーキ調理技術、目指せ頂点 田村の精肉店社長、世界大会出場へ

世界一のステーキを目指す川合さん

 「世界大会入賞、優勝を目指して技術を磨いていきたい」。SCAA(ステーキ・クックオフ・アソシエーション・アジア)主催のステーキコンテスト2024で、川合精肉店(田村市常葉町)の川合達也さん(34)が優勝した。川合さんは来年3月に米国・テキサス州で開催される世界大会に出場する。

 コンテストは、1ポンドのステーキ肉を規定の時間内に独自の味付けで焼き上げ、スポーツ競技のように統一ルールに基づいて公認審査員が採点する。ステーキの焼け具合や見た目の美しさ、味など5項目を採点し、合計点で順位を競う。国内大会は全4~5戦開催予定で、各大会優勝者と年間獲得ポイントの高い選手が、世界大会の出場権を得ることができる。

 突き詰めたバランス

 4月の第1戦に初出場し、1位とわずかなポイント差で2位だった。5月11日に滋賀県のヤンマーサンセットマリーナで第2戦が開催され、川合さんは各項目で高得点を獲得し、優勝した。「初戦で優勝できず悔しかった。下味のスパイスに辛みを足すなど味のバランスをさらに突き詰めた」と優勝の要因を語った。

 川合さんは精肉店社長の傍ら、福島バーベキュー協会長としてバーベキューの魅力を発信してきた。今年3月の世界大会に日本代表チームに同行し、18カ国以上約400人の選手が集まる世界大会を視察した。大会の雰囲気や選手のバーベキューに懸ける熱い思いを肌で感じ「この世界の舞台に立ちたい」と国内大会への参戦を決意した。

 好まれる濃い味付け

 川合さんによると世界大会は国内大会よりも濃い味付けで、かみ応えのあるステーキの方が高い得点を得られる傾向があるという。今年3月の世界大会は、予選通過できた日本人選手は1人のみだったといい、世界とは大きな差がある。スパイスの調合など、すでに世界大会を見据えて研究に取り組んでいる川合さんは「世界でも好まれるステーキを作りたい」と意気込む。

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