ソムリエが仕込んだワイン酵母の純米酒開発 佐伯市の大地酒造、看板商品も一新【大分県】

新商品「ヴァン・ルヴェール」(青)とリニューアルした「ドルチェ」(緑)を手にする池田敬社長(右から2人目)、司専務(左から2人目)ら=佐伯市上浦の大地酒造
大地酒造が夏向けにつくった新酒のヴァン・ルヴェール(左)とリニューアルのドルチェ

 【佐伯】佐伯市上浦の大地酒造(池田敬社長)は日本酒のファン層を広げようと、ワイン酵母で仕込んだ特別純米酒「ヴァン・ルヴェール」をつくった。看板商品「花笑(はなえ)み」シリーズとして、リニューアルした純米吟醸酒「ドルチェ」とともにラベルも一新して販売を始めた。

 新商品「ヴァン・ルヴェール」は、ワインソムリエの資格を持つ杜氏(とうじ)の池田司専務が温めていたもの。今年1月、ワイン酵母を吟味して仕込んだ。1カ月以上寝かせ、アルコール度数を通常の日本酒よりも低い13度に。飲みやすく、甘さ、酸味、風味を楽しめる新酒に仕上げた。

 リニューアルの「ドルチェ」(14度)は甘口を求める声に応えた。酸味の出し方を試行錯誤し、従来よりも「キュートな感じで、より上品な酸味を楽しめるようになった」と池田社長。

 ヴァン・ルヴェール(720ミリリットル・税込み1700円)はピーナツや乾き物、ドルチェ(同・同1980円)はパスタ、ピザなどに合いそうという。いずれも佐伯産米を100%使用し、県内外の35店で販売中。同社サイトからも購入(7月から順次発送)できる。

 池田社長、池田専務が10日、田中利明市長に完成を報告した。試飲した田中市長は「いいものができた。イベントなどでPRする」と感想。今後、同市のふるさと納税返礼品に加えられる予定。

 池田専務は「ソムリエがつくるワイン酵母のお酒をテーマに取り組んだ。暑い夏向きの酒に仕上がった。冷やして、ワイングラスで味と香りを気軽に楽しんでもらえれば」と話した。

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