日田市が日田彦山線の今山駅跡地に公園整備 防災機能備えイベント定期開催【大分県】

日田彦山線の今山駅跡地に公園を整備。旧駅のホーム跡には駅名板も残した=日田市夜明
日田彦山線の今山駅跡地に公園を整備。線路跡はコンクリートで固めて保存されている
今山駅跡地に整備された公園でイベントについて話し合う今山地区の住民ら

 【日田】日田市は、バス高速輸送システム(BRT)「ひこぼしライン」が導入されたJR日田彦山線の今山駅跡地(市内夜明)に公園を整備した。BRTの停留所・今山駅そばで、防災機能も備える。今月からは2カ月に1回、イベントを開催して鉄道駅があった記憶を伝え、地域に人を呼び込む。

 2017年の福岡・大分豪雨で浸水被害を受けた今山地区住民からの「災害時に利用できる公園を」といいう声を受けて造った。

 広さ約3300平方メートル。かまどの機能を備えたベンチは、災害時に炊き出しが可能。土の小山は大雨の際に土のうを作ることができる。旧駅の駅名板を残したホーム跡や、線路はコンクリートで固めて保存されており、散歩なども楽しめる。事業費は3520万円。

 「遊び場としてだけでなく、災害発生時にも役立てられる」と市都市整備課。

 イベントは「大明グリーンマーケット」と名付け、日田彦山線の旧駅があり地元の要望で線路を残すなど今山地区と同様に鉄道遺構を生かした地域づくりを進める大鶴地区と交互に催す予定。

 主催はイベント企画などに取り組む「Tatara(たたら)」(市内大肥本町)で、内容は住民の意見を取り入れながら作り上げていくという。話し合いに参加した病院事務森山幸子さん(45)=市内夜明=は「駅舎がなくなったのは水害があったからということを忘れずに、イベントを通じて地域の元気を伝えたい」。

 初回は16日午前10時からあり、ピザやサンドイッチ、生ビールなどを販売するほか、セルフ写真館や射的などの縁日も。

 元市地域おこし協力隊員で同社代表取締役の矢羽田健太さん(30)は「さらに地元の人に中に入ってもらい、地域活性化につなげていきたい」と話している。

 イベントの問い合わせは矢羽田さん(080.6448.4167)。

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