金谷拓実は「歯を食いしばってやっている」 5年ぶりのパインハーストNo.2

開幕前日は松山英樹と一緒に練習ラウンド(撮影/村上航)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 事前(12日)◇パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2(ノースカロライナ州)◇7548ヤード(パー70)

パインハーストNo.2での前回2014年大会を経験したのは、今大会の6人の日本勢で松山英樹だけだ。ただし、金谷拓実は5年前に当地で最高峰の戦いに挑んだ。2019年の「全米アマチュア選手権」。予選ラウンドを通過し、決勝トーナメント1回戦に勝利。ベスト32で終えた。

金谷拓実は思い出のパインハーストNo.2に帰ってきた(撮影/村上航)

世界アマチュアランキング1位に輝いた年の出来事。金谷は「あのとき、“まあまあ”上手だったんで…」と照れ笑いを浮かべて振り返る。だからこそ、今大会については「その思い出もあったので出たいと思っていた」と並々ならぬ思いがあった。

出場権をつかんだのは5月20日。テキサス州ダラス会場での最終予選会を通過した。直前の「全米プロ」では予選落ち。「終わってすぐだったのでリベンジしたい気持ちがすごく強かった。そういった気持ちがあったから頑張れたと思う」とメジャーでの悔しさを、1日36ホールのサバイバルにぶつけてきた。

たくましく米国での最終予選会を通過してきた(撮影/村上航)

アマチュア最高峰の大会をステップにして、世界一の称号を争う舞台へ。同じコースでもセッティングはやはり、「より難しい」と感じている。「グリーンも硬く、刈込みも激しい。(グリーンから)すぐに落ちたりする。やっぱり簡単にダボなんかが出てしまう。勇気を持ってしっかり打たないといけない。自分のやってきたこと信じてプレーを続けていきたい」

開幕前日の練習ラウンドで久々に一緒に回った松山英樹は、後輩について「飛距離は伸びていた」とレベルアップを喜んだ。「本人なりに悩んでいることもあると思うけれど、予選会を通って、ハードなスケジュールをこなしているのはスゴイと思いながら見ている」と、たくましさを頼もしく思う。

全米アマチュアでプレーしたコース。今度は全米オープン(撮影/村上航)

「一緒に競っていた選手が今また活躍している。僕も焦らずに頑張りたいです」とプロ入り後の同世代の活躍はいつも金谷の刺激でしかない。「自分で言うのもなんですけど、歯を食いしばってやってきている。結果を出したいなと思います」。懸命につかんだチケットを無駄にはしない。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

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