大谷翔平ドジャースが「佐々木朗希獲り」人事 新NPBスカウトに同年代帰国子女を抜擢

メジャー挑戦を公言する佐々木朗希

ワールドシリーズ制覇へ快調だ。大谷翔平投手(29)や山本由伸投手(25)が加入したドジャースが快進撃を続けている。昨オフの歴史的大補強で大きな話題をさらったが、次なるターゲットとされているのがロッテ・佐々木朗希投手(22)だ。早ければ今オフにもポスティングシステムによるメジャー挑戦もささやかれており、米メディアの間では去就が大きな関心事。そんな中、本命視されるドジャースの〝本気〟がうかがえる重大情報をキャッチした。

本拠地のドジャー・スタジアムに戻ったチームは11日(日本時間12日)のレンジャーズ戦で大谷の16号2ランを皮切りに1イニング4発の猛攻を浴びせ、15―2で圧勝。ナ・リーグ西地区で2位のパドレスに7・5ゲーム差をつけ、貯金16で首位を爆走している。

昨オフには空前絶後の大補強を敢行。大谷の10年総額7億ドル(約1014億円=契約当時のレート)や山本の12年総額3億2500万ドル(約465億円=同)など、12億2600万ドル(約1800億円)とも言われる莫大な資金を投下して巨大戦力を構築した。

さらには、かねてMLB挑戦の夢を抱く佐々木が早ければ今オフにも海を渡る可能性がある。2022年4月に完全試合を達成したポテンシャル抜群の右腕は、もちろんメジャー球団にとって格好のターゲット。佐々木の登板日にはバックネット裏にMLBのスカウトが集結する光景が日常化している。

気の早い米メディアの間でも佐々木の動向を気にかけており、3月末には「USA TODAY」の敏腕記者、ボブ・ナイチンゲール氏が「全ての球団が彼を欲しがっている。だが、彼がドジャース以外の球団に行くことはあり得ない。みんなもう分かっている」と指摘。先月末には「ワシントン・ポスト」が山本やダルビッシュ(パドレス)らの代理人を務めるワッサーマン社のジョエル・ウルフ氏が、佐々木の移籍をサポートしていると報じた。

さらにこの日、ドジャースの専門メディア「ドジャー・ブルー」も「ササキは過去にヤマモトのことを好意的に語っており、それが『ウルフ・オブ・ワッサーマン』を代理人として契約する可能性を示唆しているのかもしれない」「ササキがMLBのフリーエージェント(FA)に登録された暁には、ドジャースと契約することが有力視されている」と伝えた。

本人のあずかり知らぬところで話がトントン拍子に進んでいるわけだが、米球界関係者を「やっぱりドジャースがササキ獲りに本気だ」と驚かせている事象が起きている。それは今季からドジャースのNPBスカウト担当が刷新されたことだ。

新たに日本担当に就いたA氏は、球団があるカリフォルニア州の出身。高校時代は全米随一の野球チームでプレーした経験もあり、日本の大学を卒業した帰国子女だ。

22歳の佐々木とは年齢も比較的近く、本拠地のZOZOマリンスタジアムで登板した全試合で視察に訪れている。そのため「今オフ以降、正式にロウキがドジャース入りした際は、かつて日本ハムからエンゼルス入りしたオオタニと(元専属通訳の)イッペイ・ミズハラと同じようなパートナーになるのでは?」(MLB関係者)とまでウワサされている。

もっとも、A氏の起用について「ドジャースからすれば、正当なスカウト活動を行っていることを示すための意思表示ともとれる」と分析する関係者もいる。

というのも、昨オフの山本のポスティング移籍を巡るスカウト活動で、入団前に本人とドジャース球団の関係者が接触したという“タンパリング疑惑”が持ち上がったためだ。これが米球界内に一気に広まったことで、ドジャース以外の球団がMLB機構側に「苦情」を申し立てるなど、スカウト活動そのものに厳しい視線が注がれている現実もある。

しかし、その点でA氏は昨季までNPB球団に在籍していたとあって日本球界のルールやしきたりに精通。そうした経緯もあってMLBスカウトの中からは、あらぬ疑いをかけられにくくなったことで「ようやく襟を正したんじゃないかな」と好意的な声も聞かれる。

いずれにせよ、ドジャースと佐々木の動向は今後も大きな注目を集めそうだ。

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