教習所で安全大会 大村・サカモト美装 緊急回避体験や学科テストも

指導員とともに教習コースを運転する社員ら=大村市、太陽自動車教習所

 塗装工事などを手がけるサカモト美装(長崎県大村市富の原2丁目、坂本剛志社長)は、社員らの交通安全意識を高めようと安全大会を自動車教習所で実施した。同社によると、各企業が労働災害を防ぐために行う安全大会を教習所で開くのは珍しい試みという。
 7日、社員と協力業者の計約30人が訪れたのは同市森園町の太陽自動車教習所。班ごとに準中型トラックや普通車に分かれ、教習所の指導員を助手席に乗せて教習コースを走った。乗車した女性社員は「緊張した。一つ一つ『これでいいんだっけ』と確認しながら運転した」と話した。急ブレーキや緊急回避を体験するメニューもあった。
 教習所は大会のためにオリジナルの学科テストも準備。参加者は「夜間、見通しの悪い交差点やカーブなどの手前では前照灯を上向きにするか点滅させる」「長い下り坂でブレーキを頻繁に使うとブレーキが利かなくなることがある」などの問題に○×で答えた。大村署による交通安全講話もあり、横断歩道があることを示す道路上の「ダイヤマーク」に注意することなどを呼びかけた。
 同社の坂本有紀専務が同市交通安全母の会に所属していることがきっかけで実現。坂本専務は「家から職場への通勤、現場までの移動では車が必要。みなさん真剣で良い経験になったのでは」と話した。
 安全大会では諫早労働基準監督署による講話もあり、労災事故の概況や建設現場での危険な実例などについて紹介した。坂本社長は「仕事を終えて家に帰り、みんなの笑顔を見る普通の生活が一番だとの思いで取り組んだ」と話した。

教習所が作成した学科テストに取り組む社員ら=大村市、太陽自動車教習所

© 株式会社長崎新聞社