起業するなら稼げる仕事がいいですよね。ひらり宣伝社の代表である小宮絵美氏は著書『自宅で年収1000万円 「ひとり代理店」で稼ぐ 新しい起業の教科書』のなかで「代理店の仕事は稼げる」と言います。実際年収は1,000万円あるのだとか。そんな代理店の仕事とは一体どんなものなのでしょうか? 本書から紹介します。
依頼者の意見を聞いて完成させる
あなたは、これまで年賀状をつくったことはありますか?
だいたい次のような手順でつくりますよね。
(1)年賀状の素材本や年賀状サイトでフリーのデザインを選ぶ
(2)自宅のプリンターで印刷、もしくはネット印刷に頼む
これなら、やったことがあるので簡単でしょう。これを他人のためにすると「代理店の仕事」となります。
[実践例]
11月のある日、お母様があなたに「年賀状つくってよ」と依頼してきました。これを代理店の仕事に紐づけ、私の仕事の流れを説明しましょう。
【ステップ1:ヒアリング】どんなデザインの年賀状がいいか聞く
あなた「お母さん、どんな年賀状がいいの?」
母「なにかメッセージを書かなくてもいいほど、干支が大きく描いてあるのがいいわ」
あなた「縦書きと横書き、どっちがいい?」
母「縦書きがいいかしら」
【ステップ2:デザイン提出】いくつかデザインを選ぶ
要望に応じたデザインを年賀状の素材本や年賀状サイトでセレクトします。遠方に住んでいる母にLINEでいくつか画像を送付します。
母「これがいいわ~」とスクリーンショットが届く。
あなた「1番のデザインね。文字は修正する?」
母「『ご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。』の文字追加できる?」
あなた「できるよ~、追加しておくね」
【ステップ3:デザイン修正】選択したデザインに文字を追加
指示があった文字の追加を行い、宛名面の差出人の名前や住所を追加し、最終確認をします。
あなた「これでいい?」と画像を送る。
母「これでいいよ~。100枚印刷してくれる?」
あなた「いつまでに欲しい? 宛名は手書きするよね?」
母「12月10日くらいまでには、欲しいな」
【ステップ4:印刷・見積り・納品】ネット印刷で注文する
ネット印刷にかかった費用は100枚で1万円でした。印刷されたものは直接お母様のもとに届きます。
あなた「12月8日に届くって」
母「その頃なら助かるわ」
あなた「100枚で1万円だったよ、お小遣い追加して1万5,000円ちょうだい」
母「いいよ~。お正月、来たときに渡すね」
できる人に頼むのが仕事
この作業を仕事っぽく言うと、原価が1万円、売上げが1万5,000円、利益が5,000円となります。
パソコンが使えない人からすれば、年賀状をつくるだけで大仕事。たとえ、パソコンが使えて年賀状をつくれる人であっても、年末は忙しく、年賀状作成に時間を割けない人もいるでしょう。できない人、したくない人、誰かに頼みたい人の代行をすることで利益を得るのが代理店です。
[実践例]
仕事で出会ったある人の名刺には、点字が入っていました。
「この名刺を出すと、僕の名刺にも入れたいという人がいて、頼んでいるサイトを教えてあげているんだよね」と話していました。
「僕も名刺に点字を入れたいな」と言われたら、「今使っている名刺に100枚2,500円で点字を追加してもらえるけど、頼んでおこうか?」と言うだけで、ひとり代理店の仕事成立です。
自ら点字を入れることはできなくても、できる人を知っています。できる人に振ることで立派な仕事になります。
受け取った名刺を点字を入れてくれる社会福祉法人等に郵送すると、「組織名」「名前」「電話番号」の3行を点字で入れてくれます。
完成したら指定した住所へ直送してくれます。点字を入れる費用は100枚1,500円です。2,500円で引き受ける話をしたので、売上げ2,500円-外注費1,500円=利益1,000円となります(郵送費用は別にかかります)。
あなたが慣れている注文でも、初めての人はすぐにできる人ばかりではありません。点字を入れてもらう自分の名刺を送るのが面倒で、入れたいけれどなかなかできない人の代わりにその仕事を代行するわけです。
あなたが今まで自らの名刺でやっていたのと同じことを、点字を打てるところに依頼するだけで1,000円の利益獲得です。
このように、実はあなたがこれまでにやったことのあることが「代理店の仕事」なのです。
小宮絵美
ひらり宣伝社代表