家計に無関心なパートナーはどうすればいい?…積極的になってくれる“会話”の分かれ目【FPの助言】

家計の見直しについて話そうといっても、「また今度にしよう」とはぐらかされる。お金のこと、パートナーにも考えてほしいのに、協力してくれない……そんな夫婦も多いはず。でも、「あること」に目を向ければ協力的になるかもしれません。それをファイナンシャルプランナーの横山光昭氏の著書『収入減でも家計がラクになる貯蓄術 貯金は「夫婦の会話」で9割決まる!』から紹介します。

自分が「苦手な作業」を助けてもらう姿勢を見せる

お金のやりくりをパートナーに協力してもらうために、私がおすすめするのは、「自分が苦手なこと」に目を向けることです。

「家計簿をつける」「マネープランを立てる」「お金を運用する」……お金を上手にやりくりするには、様々なことを考えて実行する必要があります。

お金に対する意識が高い人は、すべて自分で行うかもしれません。

でも、なかには苦手だと感じること、うまくいかないこと、興味がわかないことだってあるでしょう。例えば「家計簿ソフトを使うのが苦手」「資産運用は興味がない」など、積極的になれない作業があるはずです。

それをパートナーに思いきって任せてみるのです。

ポイントは「自分は苦手なので、助けてほしい」という姿勢を示すこと。

「私には難しいので、力を貸してほしい」「私がやるとうまくいかない。相談させて」などと言えばいいわけですね。

弱みをさらけ出せば家計はうまく回っていく

「私のパートナーがやるはずがないですよ」「夫はできないと思います」
仕事を任せる提案をすると、そう思う人は少なくないでしょう。

しかし、人は頼られると悪い気はしないもの。「面倒くさいな」などと言いながら、意外と協力してくれる可能性があります。「私にはできない……」と弱みを見せれば、なおさらやる気を出す人も少なくはありません。

「パートナーの一方が自分のダメさをさらけ出して、相手に甘える」夫婦は、意外とお金のやりくりがうまくいく傾向があります。

先日、家計相談に訪れたあるご夫婦がその典型でした。「家計簿をエクセルで自作しよう」という話になったのですが、「私できないから、やって」「入力も間違えるから、お願い」と妻が頼りまくるのに対し、夫は嫌な顔をすることなく引き受けていました。

真相はわかりませんが、妻は苦手なのではなく、ダメな部分をつくって夫を巻き込んでいるのではないか、という印象も受けました。

そうした「スキ」をつくることが、パートナーを協力的にするコツと言えます。
「パートナーに任せられない」なら、少しずつ頼めばいいでしょう。

例えば、資産運用をするなら、運用資金の一部だけを任せるのです。それで、目に見える成果が出れば、パートナーは自信を持ちます。すると、家計について興味が出てきて、より協力的になるかもしれません。自分が苦手で、パートナーにお願いできそうなことは何か? をぜひ探してみてください。

お金に無関心のパートナーをうまく巻き込む話し方

【うまくいかない会話例】
とにかく関心を持ってほしいと思って話す
妻「ネットバンキングは管理してくれる?」「NISAの件は任せるよ」
夫「イヤだよ、面倒だし」「そっちでやってよ」

【うまくいく会話例】
自分が苦手とアピールして頼りたいと伝える
妻「ネットが苦手だから、ここだけお願いしてもいい? 助けて!」
夫「しかたないな、その代わり保険のことは調べておいてね」

横山光昭

家計コンサルタント・ファイナンシャルプランナー
株式会社マイエフピー代表取締役

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