アニメ『WIND BREAKER』を原作ミリしらオタクが見たら「みんな幸せになってくれええ！」と絶叫した。有識者、ちょっと来て…

週刊少年マガジン公式アプリ「マガジンポケット」にて人気連載中のヤンキー漫画『WIND BREAKER』。(以下ウィンブレ)この今、最もアツい新世代ヤンキー漫画がCloverWorksによりアニメ化され、4月より放送されるやいなや、熱いファンが急増し話題を呼んでいるのだとか。

今回は原作ミリしらライターが本アニメからウィンブレ沼にダイブ。その感想を既に放送済みの｢獅子頭連編｣まで追っていきます！※記事の特性上、内容に触れています。

『WIND BREAKER Original Soundtrack』（アニプレックス）

赤ちゃん王な桜、麗しい蘇枋…沼キャラだらけなんですが！

ウィンブレを視聴して数分。まず胸をぶち抜かれたのが、なんといっても個性豊かで魅力的なキャラクターたち。

例えば、主人公で高校一年・桜遥(CV内田雄馬)のこじらせた不器用な性格にズギュン。少しでも油断するとすぐ赤面してあわてるという、赤ちゃん王な一面。カッコいいのにマインド赤ちゃん。いきなり沼です。

風鈴高校に『ボウフウリン』があることを知っても、ケンカではてっぺんを獲りたい熱い漢。ケンカの腕っぷしも強くまっすぐな性格はタイマンバトル中にも表れ、中でも十亀条(CV梅原裕一郎)に言い放った｢俺は相手が命の恩人でも、どんなに強くても、目をそらしたり自分を曲げたりしねぇ！｣は、激アツ！

『WIND BREAKER』1巻 (講談社)

詳しくは言えないのですが、その言い放った時の状況も相まって観ている者の胸に直線で刺さってくるひたむきさに感動必至です。

また桜と同じクラスには、麗しく美形でにこやかなのにミステリアス、でもケンカとなると独特のカンフーや合気道スタイルで容赦ない一撃を浴びせる蘇枋隼飛(CV島﨑信長)が。

幼稚なケンカを仕掛けてくる相手には徹底的に手ひどい目に遭わせた上で、怜悧な微笑みを浮かべながら｢俺と一緒に大人の階段登ろうか｣というキラーワードも！

その美しい横顔に(はい！金毘羅宮の超ロング階段だって一緒に登りたいです！自分イケますやらせてください)という気持ちになりヒザをポキポキ鳴らしてアップを始めたくなりました。

治安激ワルビジュの十亀、梅宮の眼差しに胸がギュンギュン！

そしてボウフウリンと敵対する隣のシマチームの獅子頭連・副頭取である十亀条の初登場時のただ者ならぬ不穏な空気感と陰のある色気がガチの沼。低音で腰に響くスローな話し方もこれまた沼。

そもそも甚兵衛にスカジャン、サングラス、長めの髪をうしろで結ぶというという治安激ワルなビジュも沼。

ところが、ひょうひょうとした食わせ者みがありながら時に冷徹だった十亀が、話数を追うごとに判明していく事実と、隠してきた本当の姿のギャップに“かわいそカッコいい”と母性と夢女子マインドのせめぎ合いで胸が苦しくなりました。

個人的に特大の沼は風鈴高校三年・ボウフウリンの総代(てっぺん)である梅宮一(CV中村悠一)。もう沼の深さがマリアナ海溝です。人懐っこさピカイチ、絶対的信頼を誇りあらゆる人を惹きつけるカリスマ。器の大きさ東京ドーム100個分レベル。

『WIND BREAKER』2巻 (講談社)

ですが獅子頭連との団体戦では、味方でも弱者に容赦ない兎耳山丁子(CV戸谷菊之介)に対し静かな怒りを湛え｢オレは100％負けない｣と冷静に王者の風格を見せる真剣な眼差しに胸ギュン！梅宮・最強だから説、爆誕。諭すような声も最高、秒で｢ハイ！｣と返事したくなります。

また素朴にも趣味が野菜作りでみんなで美味しくごはんを食べるのが好きという優しい笑顔もまぶしすぎ！頼りがいのあるお兄ちゃん・梅宮一、この街の幼な子たちの初恋泥棒待ったなし。

本気でキャラが豊富過ぎて推し決め放題。目と心臓が追いつきません。次々と沼が迫りくる怒濤のキャラ登場に両足踏んばってギリ耐えるしか！

聞いてないよ！しんどい展開と関係に絶叫。頷きながら見守るオタク

またアニメ勢として萌えたのは、“力”の絶対信仰「獅子頭連」との対決。ボウフウリンの隣のシマを仕切る、オレンジのスカジャンがトレードマークのチーム獅子頭連とボウフウリンのチームをかけてバチバチに対峙した、団体戦のタイマン勝負。

原作ミリしら勢なので｢おっ！ここで敵対する獅子頭連を潰すんだな？｣｢悪役・獅子頭連をやってやれ！｣と無邪気に観ていたところ、それぞれがまさかの因縁、執着、献身というバックボーンに絶叫しました。聞いてないよ！こんな背景あったなんて！なにこの展開！(大泣き)

柊登馬(CV鈴木崚汰)VS佐狐浩太(CV小林千晃)戦ではこじらせ幼なじみの因縁に大号泣。

小学生の頃、佐狐が同級生にいじめられ殴られていたところを助けたのが柊。それ以来、柊にケンカの教えを請い願い、慕い、その背中に憧れていた佐狐でしたが中学卒業時に、風鈴高校で梅宮を担ぐと決めた柊に｢おまえはついてこなくていい｣と言われたことから荒れた佐狐。

TVアニメ『WIND BREAKER』公式サイトより

柊なんでや……佐狐！一歩的にフラれたように思っちゃうよね！恨んじゃうよね！と頷きながら見守るオタク。

今は敵対し合う立場になってしまったものの、タイマン中にその気持ちを受け止めた柊から謝罪された佐狐は“ただついてこいと言って欲しかった”想いを吐露。しんど過ぎる！切ない！けなげ！(泣) しがみつくように倒れる佐狐と受け止める柊の場面に涙腺崩壊、涙で前が見えません。

みんな幸せになってくれええ！有識者、ちょっと来て…

また敵方だと思って見ていたはずの“力”の絶対信仰「獅子頭連」のエピソードにも変化が。

頭取でもある兎見山丁子が、てっぺんを取ったあとで感じた虚無感や絶望を感じ、暴走しかけたさまをカバーするように実は“汚れ役”を引き受けてきた副頭取・十亀条。

かつて孤独だった十亀を無邪気に誘い唯一無二の仲間となり、ニコイチな関係である丁子の太陽のような笑顔を守りたいがために、あらゆる裏の部分や憎まれ役を引き受け｢丁子は笑っててよ｣と泣き笑いで壮絶な覚悟を決めた十亀の激重感情が切なすぎます。

胸が絞られるような痛みが哀しくて思わずもらい泣き。そうだよね亀ちゃん……丁子の笑顔守りたいよね……。画面を見ながら胸に手を当てて｢みんな幸せになってくれええ！｣と叫びながらのたうち回りました。しんどすぎ激重献身関係。

このしんどい関係性に萌えつつも(これもう原作ちゃんと読むしかないやつ)と決意。獅子頭連編ですでにこれだけメンタル容量いっぱいなのが怖い。もう今後どうなるんですか？ちょっとだけ先に教えて有識者！状態です。

どっぷり沼にハマれて幸せです

また、本作はキャラデザの良さと作画も神でした。アクションシーンの演出が大事だとは思っていましたが、怒濤のタイマンバトル場面は想像を超えるカメラワークで躍動感がハンパなく、はたまた雨に暗く沈む街中のさびれた映画館、天候によって変わりゆく街並みの様子など描き込みの丁寧さにもグッときました。

改めて4月放送開始のアニメから入った原作ミリしら勢に新規でしたが、まさかこんなに奥深い作品だとは！という気持ちで、今ではどっぷり胸まで沼に浸かって幸せです。

そしてこれから出てくるキャラクターを心待ちにしたり、あまりに魅力的なウィンブレのキャラたちにドキドキしっぱなし。そして原作ミリしら勢でしたが、気になり過ぎるので原作よく読む勢になるという判断も新たに決意しました。

（執筆：加藤日奈）

TVアニメ｢WIND BREAKER｣作品概要

■イントロダクション
その拳で、街を守れ！
孤独な不良高校生･桜は、ケンカのてっぺんを目指して、超不良校として名高い風鈴高校にやってきた。しかし、現在の風鈴は“防風鈴(ボウフウリン)(ボウフウリン)”と名付けられ、街を守る集団に変わっていたことを知る。

今、最もアツい新世代ヤンキー漫画が、赤井俊文監督を始めとする実力派スタッフとCloverWorksにより待望のアニメ化︕

■キャスト
桜遥内田雄馬
楡井秋彦千葉翔也
杉下京太郎内山昂輝
蘇枋隼飛島﨑信長
梅宮一中村悠一
柊登馬鈴木崚汰
柘浦大河河西健吾
桐生三輝豊永利行
橘ことは長谷川育美
兎耳山丁子戸谷菊之介
十亀条梅原裕一郎
佐狐浩太小林千晃

■スタッフ
原作にいさとる『WIND BREAKER』（講談社『マガジンポケット』連載）
監督赤井俊文
シリーズ構成瀬古浩司
キャラクターデザイン・総作画監督川上大志
アクションディレクター浅賀和行
プロップデザイン羽土真衣子
美術設定・美術監督守安靖尚
色彩設計横田明日香
撮影監督長瀬由起子
3Ｄディレクター渡邉啓太（サブリメイション）
編集三嶋章紀
音楽高橋諒
オープニング主題歌なとり｢絶対零度｣(Sony Music Labels)
エンディングテーマ Young Kee「無敵」(Sony Music Labels/gr8!records)
音響監督明田川仁
制作 CloverWorks

公式サイト https://wb-anime.net/
公式X https://x.com/winbre_sakura