5日、山東省曲阜市の孔子博物館で、職員の解説に耳を傾ける駐中国使節。（済南＝新華社配信/郝亜松）
【新華社済南6月13日】アルゼンチンや南アフリカ、サウジアラビア、ベトナムなどの国や国際機関の駐中国使節、代表10人余りが5～8日、中国外交部の招きを受けて山東省を訪れ、儒家文化の奥深さを体験するとともに、新たな分野での協力のさらなる可能性を探った。
使節らは同省曲阜市を南北に貫く中軸線上に位置する孔廟を訪れ、道の両脇にある樹齢100年の古木に沿って廟堂の奥まで進み、中国の先人による千年の知恵を感じ取った。
かつて中国に留学した経験を持ち、「馬岩」という中国名を持つグレナダのマーシャル駐中国大使は「仁義礼智信」について深い理解が得られたとし、儒家思想の価値観が人びとの生活のあらゆる面に深い影響を与えていると述べた。
8日に撮影した超深水半潜水型掘削装置「藍鯨2号」。（済南＝新華社記者/叢佳鑫）
孔廟を参拝する途中で、南アフリカ在中国大使館のバサディエン公使は孔廟をかたどった金属製のしおりを記念品に選んだ。同氏は、中国との人的・文化交流や協力は豊かな成果を生み出しており、両国関係の強化に大きく貢献しているとの考えを示した。
曲がりくねった海岸線が続く山東省は、「生態漁業」発展の大きな可能性を秘めている。モロッコのアンサリ駐中国大使は、各国の水産需要が高まり続ける中、漁業養殖には大きな市場空間があるとの認識を示した上で、中国とこの分野でより多くのパートナーシップを構築し、海洋漁業の増産に向けたモデルチェンジを探っていきたいと語った。
5日、山東省曲阜市の孔廟と孔府を訪問する駐中国使節。（済南＝新華社記者/曹嘉玥）
同省煙台市福山区回里鎮の「半月湾農業モデル基地」では、十数品種の色鮮やかなサクランボがたわわに実っていた。
レソトのラバル駐中国大使はアフリカでも一部品種が栽培されていると語るとともに、同基地がサクランボの新品種の育成に加え、きのこの栽培技術も持っていることに注目。「果樹園の生産管理のオフシーズンにサケツバタケを栽培している。一流の農業技術であり、まさにわが国に必要な技術でもある」と称賛した。
サウジアラビア駐中国大使館のカシム・ゴシュラン公使は、同省煙台市の電子製品メーカー東方電子を視察。「中国企業と新興技術分野でより多くの協力機会を探るためにやって来た」と述べた。同社がサウジで新型デジタル化配電端末プロジェクトを実施し、現地の電力スマート化レベルの向上を支援したことを知ると、同社の従業員と中国の通信アプリ、微信（ウィーチャット）で「友だち」になった。公使は「山東省にあと数日留まって、両国企業間の協力に向けたマッチングをさらに進めたい」と語った。
8日、山東省煙台市の「半月湾農業モデル基地」で現地の農業生産技術について聞く駐中国使節。（済南＝新華社記者/叢佳鑫）
同省のグリーン（環境配慮型）エコノミーやブルーエコノミー（海洋経済）の新たな発展が、今回の使節一行による視察と状況把握の重点となった。
コンテナ製造大手、中国国際海運集装箱集団傘下の煙台中集来福士海洋工程の工場エリアにある埠頭（ふとう）を訪れたアルゼンチンのサルビア駐中国大使は「ここの規模の大きさ、施設や設備の充実ぶりは自分の目で見なければ想像することも難しかった」と感嘆した。
同社の海洋エンジニアリング設備の多くが独自に開発、設計したものだと知ったマーシャル氏は「技術革新と戦略的指針」が海洋経済の持続可能な発展を推進しているとの考えを示した。
8日、煙台中集来福士海洋工程で海洋エンジニアリング設備の製造に関する説明を聞く駐中国使節。（済南＝新華社記者/叢佳鑫）
モザンビークのグスタバ駐中国大使は、同省がインフラやグリーンエネルギーなどの分野で高水準の発展を実現しており、経済が多様化して活力に満ちていると述べた。
アンサリ氏は同省が「客に親切な持て成しだけではない」とし、同省の潜在力が無限の可能性を生み出しているとの見方を示した。（記者/曹嘉玥、張昕怡、叢佳鑫）
