〝UFO議連〟事務局長の浅川議員が幹事長の小泉進次郎氏に謝罪「ネットで批判されおわび」

質問に立った浅川義治議員(左)と小泉進次郎議員

超党派で構成された〝UFO議連〟事務局長の日本維新の会・浅川義治議員が13日、衆議院安全保障委員会でUFO議連設立に関して、同議連幹事長の小泉進次郎に〝謝罪〟した。そして、木原稔防衛相にUAP対応の専門部署の設置を提言した。

6日、〝UFO議連〟こと、UFOを含むUAP(未確認異常現象)について安全保障上の問題として取り組む超党派の議員連盟「安全保障から考える未確認異常現象解明議員連盟」(会長・浜田靖一自民党国対委員長)が設立されたばかり。そして、安保委の委員長の小泉氏が同議連の幹事長だ。

浅川氏は「先日、議連を結成し、幹事長には小泉委員長に就任していただきました。本当にありがとうございます。ただ、おわびも同時に申し上げないといけないのです。UAP、UFOの問題は、いまだに〝宇宙人の乗り物〟を前提として『UFOなんか信じてない』と言う方もいらっしゃる。ネット上ではそんな前提で小泉委員長が批判されることがあるので、おわびしたい。私に対しての批判は、大いに結構なんですけど、小泉委員長が幹事長を買って出ていただいたのに、何で批判の先が小泉委員長に行かなきゃいけないのか。私も憤慨しております」と述べた。これを聞いた小泉氏はほほ笑んだ。

UFOという言葉に〝宇宙人の乗り物〟という固定観念がつきまとうこともあり、米国や日本の政治などの場ではUAP(未確認異常現象)と呼ぶようになった。UAPは、あくまで他国の最新鋭の秘密兵器や偵察機の可能性を視野に入れた安全保障上の問題だ。

そのUAPは、防衛省だけの問題ではない。日本の〝UFO事件史〟として有名な「開洋丸事件」(1984年、86年)は水産庁、「日航ジャンボ機UFO遭遇事件」(86年)は国土交通省の管轄で起きた〝事件〟だ。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は文部科学省の関連機関。浅川氏は「過去、どういうものだったのか分からないことがたくさんあるのが実態です」として、各省庁もUAP情報を把握すべきだという。

また、防衛省についても言及。航空自衛隊の現場の隊員がUAPを見た例があるものの、「上層部に報告しづらい雰囲気が現場にある」と指摘。「今まではUFO、UAPの話をするのはおかしなことだとされていました。今後は米国防総省がUAPを認めているように、その姿勢を見習うべきです」とした。

そして木原防衛相に対し、「今後、大臣のリーダーシップで、各省庁に情報を求めたり、各省庁から防衛省に情報を提供したりする形を取っていただきたい」と提言。木原氏は「UAP分野は急速に関心が高まっています。各省庁と情報連携のレベルを高めていかないといけません。浅川氏の問題意識としては、新たな部署の新設をお考えなのではないかと思いますが、現時点では新たな部署の新設というのは俎上に載っていません」と答えた。

傍聴したUFO研究家は「浅川議員は、UFOを取り巻く偏見を取り除くことからまず始めるべきと指摘しました。今回の質疑は思い切った内容になり、政府各省の不備があらわとなった感じです。UFO研究の面からはあっぱれと言いたい」と話した。

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