ハッピーな再会の連続…“第二の故郷”に戻り涙も 成長を感じる一打で飛び出した「心からのガッツポーズ」【谷田侑里香“最高峰への道”】

応援してくれた日本人ファンとの一枚。多くの再会が『ROAD TO THE LPGA』への思いをまた強くさせた(写真:本人提供)

高校時代の1年間、そして大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、今年、再び海を渡り米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場にするツアープロだ。そこをスタート地点に、長年「世界最高峰の舞台」として胸に抱いてきたLPGAツアー参戦を目指している。その姿を追う。

みなさん、こんにちは! 先週は私にとって、とても“ハッピーな一週間”になりました。大会(ファイアーキーパーズ・カジノ・ホテル選手権)の会場になったミシガン州は、私が大学4年間を過ごした場所です(※谷田はミシガン州立大出身)。コースからキャンパスまでは1時間弱で、母校にも足を運びました。楽しいこと、つらいこと…いろいろな感情になった場所です。いまではすべてがいい思い出ですが、キャンパスが近づくにつれてウルっときてしまい、自然と涙がこみ上げてきました。

うれしい再会もたくさんありました。大会期間中にホストファミリーになってくれたのは、大学のゴルフ部を応援してくれているご家族で、当時からとてもお世話になっていました。卒業後も連絡は取っていましたが、お会いしたのは3年以上ぶりのことでした。また大学時代に練習でお世話になっていたゴルフコースで働いている方や、大学時代の友人たちも会場にかけつけてくれました。大学ゴルフ部の監督は、『その日は近くにいないから会えないな』って言っていたのに、サプライズで会いに来てくれて…、そのできごとのひとつひとつが、心を満たしてくれるものです。

さらに、大学時代から応援してくださるミシガン州在住の日本人の方も会場まで来てくれました。実はこの大会は、大学生のころに観戦したことがある試合でもあります。そのときに、やはり観戦に来ていたのがこの方で、そこで初めてお会いして、その後は大学の試合も応援していただけました。今回ツアープロになった姿を見せることができたのは、とても感慨深いできごとでもあります。他にも、米国在住の日本人の方が3人初めて応援にきてくださったり…、すべての方々に感謝の気持ちを込めてプレーする3日間でもありました。

そこでしみじみ感じたのは、“思ったよりも早く戻ってくることができた”ということです。大学時代から『いつかアメリカに帰ってきたい』という考えはありましたが、日本に帰国後はプロテストのことで頭がいっぱい、という日々を過ごしていました。また日本ツアーでプレーしてから米国ツアーへ…、というイメージも持っていたので、今年、ツアープロとして“第二の故郷”に戻ることができたのは、やっぱり思ったよりも早かったというのが率直な気持ちになります。

コースから離れた場所で、このような充実した日々を送ることができましたが、コースの中でも大きな成長を感じることができる試合でもありました。

この前の試合(5月16~18日、コッパーロック選手権、米ユタ州)は、カットラインに1打足らずで予選落ちしていたのですが、それは、パーでしのげばカットライン上ながら決勝に進めた2日目の最終18番(パー4)で、1メートルあるかないかというパーパットを外した結果でした。『悔しい』。そんな気持ちが強く残ってしまう試合になってしまいました。

そしてミシガンでも、似たような状況になったのです。2日目の後半8番でボギーを叩いてしまい、この時点でトータルスコアは3オーバー。最終9番(パー5)のティに入るとき、ちょうどカットライン上に位置していました。しかし3打目を乗せて、グリーンでリーダーボードを見ると、カットラインが“+2”に…。『決めなければ予選落ち』という状況です。

バーディパットは1メートルないくらいの距離。まさにユタと同じようなシチュエーションでしたが、これを決めて決勝ラウンドに進むことができました(※最終的なカットラインはトータル3オーバー)。前の試合の苦い経験を糧に、対策や練習を重ねてきたので、それが生きたということがとてもうれしかったです。重みのある一打を決めたときには、心からのガッツポーズも出てきました。一打一打が勉強になっている、そんなことを改めて感じるような試合でもありました。

“ハッピーな一週間”は、私にいろいろなことを教えてくれる期間になってくれました。今週のインディアナ州(14~16日、オッタークリーク選手権)での試合でも、そんな経験をさらなる飛躍につなげられるよう、しっかりと頑張っていきます。

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