7つの海へ! 高1の丸尾海七がパターいらずの会心2ホールで2位発進「びっくりしちゃって…」

2位タイと好スタートを切った丸尾海七(撮影:福田文平)

<日本女子アマチュアゴルフ選手権 初日◇11日◇我孫子ゴルフ倶楽部(千葉県)◇6679ヤード・パー72>

まだ15歳、宮崎の高校1年生・丸尾海七(しいな)が「67」をマークし、首位と1打差の5アンダー、2位タイの好スタートを切った。表情にはあどけなさが残るが、やることは派手で終盤の16番でチップ・インバーディ、17番は2打目を放り込んでのイーグル。優勝争いのダークホースとなりそうだ。

「入るところは見えなくて、グリーンに行って分かりました。パー5では一度あるんですけど、2打目が入ってのイーグルなんて試合では初めてなんでびっくりしちゃって…」。丸尾はイーグルの瞬間を興奮気味に振り返った。ティショットはフェアウェイど真ん中。残り151ヤードから8番アイアンで放った2打目も、グリーンの傾斜を読んで、ピンのやや右からというイメージ通りのショットだった。

直前の16番パー4はラフからの2打目を引っ掛けて、グリーン左からチップ・インバーディ。「(2ホール続けて)パターを使わずに行けちゃいました」とおどけた。

珍しい「海七」という名前は若いころにサーフィンが趣味だった父・高範さんが命名。“海=SEA”で読み方は「しいな」。7つの海を越えて世界に羽ばたいてほしいという願いが込められている。他にはいない唯一無二の名前は本人もお気に入りだ。

ゴルフを始めたきっかけは7歳のころ、兄、姉とともに練習場に連れて行ってもらったこと。「休みの日にどこかに連れて行けと言われて、安くて、私がたばこを吸えるところと考えたら、近くの練習場だったんです。今は吸えなくなってますけどね」(高範さん)。500円で200球。そんな練習からスタートした3きょうだいはそろって競技に打ち込んでいる。

丸尾は2022年に九州ジュニア(12~14歳女子の部)で優勝。昨年は「日本ジュニア」(12~14歳女子の部)で4位という実績の持ち主。身長157センチと決して大柄ではないが、平均250ヤードの飛距離を誇る。

予選通過を目標に臨んだ今大会だが、初日の好発進でちょっぴり上方修正。「明日も自分のゴルフをして、アンダーで回れたらと思います。自分の一番のゴルフができて、上位にも行けたら最高ですね」。今大会での活躍が世界の舞台に羽ばたく第一歩となるに違いない。(文・田中宏治)

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