電通デジタル、生成AIを活用した営業DXサービス「∞AI Chat for Sales」の提供を開始

電通デジタルは、AI活用によって企業の次世代マーケティング活動支援を総合的に行うサービスブランド「∞AI」の一環として、生成AIを用いた営業DXサービス「∞AI Chat for Sales(ムゲンエーアイ チャット フォー セールス)」を開発し、提供を開始した。解像度の高い顧客インサイトを導出し、それに基づいた営業アクションプランやセールストークなどのコミュニケーション文章を生成することで、効果的な営業活動の推進を支援する。

昨今、営業領域におけるDXとして、ウェブ接客ツールやAIチャットボットによるオンラインのデジタル接客をはじめ、1stパーティデータを活用したリード予測、顧客ダッシュボードをコールセンターやフィールドセールスに連携させた営業支援などの取り組みが始まっている。

一方、企業側で入手できる顧客情報が少なく、思うようにデータ活用が進まないことから、「デジタル施策でのパーソナライズができずコンバージョンが上がらない」「インサイドセールスのアプローチ仮説が立てられない」「フィールドセールスの営業スキルが属人化してしまう」などの課題が発生。これらに対応するため、大規模言語モデル(LLM)を活用した営業トークスクリプト作成などの試みも開始されているが、 LLMは与えられた指示に対して関連性が高い文章を生成するため、その指示の中で与えるデータの量/質が乏しいと実務で活用できるような回答が得られないという問題を抱えている。

「∞AI Chat for Sales」では、顧客インサイトの解像度を高めるため、顧客から取得したゼロパーティデータと企業が保有する1stパーティデータといった顧客情報、電通が保有する生活者の価値観などを聴取した大規模調査データ(※)をインプットデータとして活用。それらのデータをLLMに与えてペルソナ像を生成し、さらにそのペルソナに対して適切なメッセージを生成するという特許出願済の一連の技術を用いることで、質の高いパーソナライゼーションに基づいた営業支援メッセージを提供する。

※電通が、電通マクロミルインサイトの調査パネル約15万人(約30業種)に対して年2回実施している、価値観・メディア接触などの意識調査データ

これにより、生活者の意識や価値観を踏まえた仮説のほか、その根拠となる参考調査データを示すことが可能となり、パーソナライズによるUX改善やコンバージョン改善、インサイドセールスのアポイント獲得率の向上、フィールドセールスの成約率の向上と属人化解消などに貢献する。

「∞AI Chat for Sales」はAPIとして提供され、各企業の既存システムへ機能を追加することが可能。「∞AI Chat for Sales」で生成したパーソナライズメッセージを、利用中のチャットボットやSFA/BI/MAなどのツールと連携して活用できる。

また、「∞AI Chat for Sales」の提供基盤には、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供するAmazon Bedrockなどのテクノロジーを活用しており、顧客のAWS環境ともシームレスな接続が可能となる。

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