天皇杯でのマルシーニョのゴールの裏側。佐々木旭の好フィードにつながった川崎の中断期間での取り組み

[天皇杯2回戦]川崎 2-0 ソニー仙台/6月12日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

前回の大会王者として天皇杯2回戦に臨んだ川崎は、山田新とマルシーニョのゴールでソニー仙台を下し、無事に初戦を突破した。

39分にマルシーニョの落としを山田が決めて先制すると、58分に欲しかった追加点を導き出したのが、この日はCBに入った佐々木旭だった。

左SBとCBをこなす男は、58分、自陣深い位置でボールを持つと、左ウイングのマルシーニョの裏へ好フィード。これを受けたブラジル人アタッカーが、DFをかわしながらネットを揺らした。

「マルちゃんが走っていたのは見えていました。オニさん(鬼木達監督)には流してから蹴るのではなく、しっかり足もとに止めてから蹴るようにしてほしいと、(CBを組んだ大南)拓磨くんと一緒に言われていたので、その通りというか、まだまだですが、イメージに近いような形でできたので良かったと思います」

国際Aマッチを挟み、リーグが中断したここ数日は、川崎としても落ち着いてトレーニングをできる日々であり、鬼木監督が改めて口にしていたのは、技術面を磨くことと改めてその意識向上であった。

【PHOTO】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!

その背景を踏まえ、マルシーニョのゴールの裏には、佐々木の正確なキックがあったと言えるだろう。

「いつもなら少し前に止めて転がった状態で蹴っていたと思いますが、しっかり足もとに止めてワンステップで蹴れたので、そこは練習の積み上げが試合に出たのかなと思います。

(チームとして)何回かパスがずれたシーンがありましたが、全員がずれたパスに対して厳しい声をかけていたので、その意識は今後に絶対活きるはずですし、全員がそういう意識を持ち、こだわってやっていきたいです」

今オフも少なくない選手の入れ替わりがあったなか、リーグでは黒星が先行する状況だが、技術面を磨く作業は改めて巻き返しの鍵になるのかもしれない。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

© 日本スポーツ企画出版社