地元広島で光ったGK大迫敬介のビルドアップ。「練習の方が難しい」という頼もしさ。中0日で天皇杯出場も?「出てるかも(笑)」

日本代表は6月11日、北中米ワールドカップ・アジア2次予選でシリア代表とエディオンピースウイング広島で対戦。5-0で大勝し、圧倒的な力の差を見せつけた。

個人的に印象に残ったのが、地元のサンフレッチェ広島に所属しており、試合前に多くのファンが注目選手に挙げていた大迫敬介の活躍だ。

日本が一方的に攻めていたため、守備での見せ場は訪れなかったものの、24歳のGKはビルドアップで確かな存在感を発揮。堂安律が挙げたチーム2点目の起点となったほか、自身がペナルティエリア内でボールを持っている際、相手がすぐ近くまで寄せてきても全く動じず。町田浩樹ら近くのチームメイトと楽々パス交換をやってのけ、スタンドからはどよめきが起こった。

その姿はまるで、屈指の強心臓で知られるマンチェスター・シティの守護神、エデルソンのようだった。

試合後、大迫に「随所で非常に落ち着いている印象を受けました。個人的な手応えは?」と尋ねると、こんな頼もしい答えが返ってきた。

【PHOTO】日本代表のシリア戦出場16選手&監督の採点・寸評。3人が7点の高評価。MOMは2点に関与した左WB
「代表の練習の方がもっともっと難しいシチュエーションでやっているので。すごく今日は楽に感じたって言い方が合っているか分からないですけど...難しいシチュエーションでやっている分、すごく楽に感じました」

さらに、一発で局面を打開する鋭いフィードも見せつけた。ただ、自身が求めるレベルはもっともっと上だ。

「代表に来るとゴールキーパーからもっと足元で繋ぐだったり、味方からレベルが高いものを要求されるので、そこはもっともっと質を上げていかないと。代表と自チームでやっているサッカーにギャップもありますけど、そういったものはあって当然なのが代表。そこに上手く自分をフィットさせながら、もっと質を上げていければと思います」

サンフレッチェの背番号1は、森保ジャパンでも定位置をがっちりと確保できるか。成長意欲は無限大だ。シリア戦の翌日に行なわれる、FCバレイン下関との天皇杯2回戦に「出てるかもしれない」とニヤリと笑った。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

© 日本スポーツ企画出版社