「爆上がりの光熱費」「奨学金」「コンタクトレンズ代」……あぁ、この出費がなければなぁと思ったら家計を見直すチャンス到来!と、FPがアドバイス

引用元:takasuu/gettyimages

「たまひよ」アプリユーザーに「あなたの家計で“この出費がなければ助かるのに…”という項目はありますか?」と、質問。すると約8割が「ある」と、回答しました。口をそろえて「必要経費とわかってはいるけど」としながらも、値上げラッシュに言わずにはいられないようです。ライフスタイルアドバイザーで1級FP技能士の前田菜穂子さんに聞きました。

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Q:家計で“この出費がなければ助かるのに…”という項目はありますか?

ある 82.8%
ない 16.9%
その他 0.3%

今も続く値上げラッシュ。でもお給料はなかなか増えない。そんなモヤモヤのなかで「この支出がなければ……」と、いう思いに拍車がかかるようで、コメントには不満を吐露する人が続出しました。
トップはやはり爆上がりの水道光熱費。さらにガソリン代高騰のあおりを受けた車関連の出費、そして奨学金、コンタクトレンズ代が続きました。

節約しても高い……。しかも乳幼児がいるとますます爆上がり「水道光熱費」

「11月に出産しました。真冬の夜中の授乳もあって部屋の温度・湿度は24時間なるべく一定に。洗濯物は子どもと大人を分けて2回まわす……など、赤ちゃんに必要なことをしたら光熱費が爆上がり」(よしころ)
「水道光熱費が高すぎて安い地域に引っ越そうか、本気で考えるくらいです。田舎なので家賃が安くて助かると思っていたけど、水道光熱費の爆上がりで微妙…」(カナコ)
「節約しても高い……」(ことみ)

車必須の田舎住まいは大打撃。ガソリンの高騰に悩む「車関連」の出費

「田舎なので車は必須。ガソリン代がもう少し値下がって欲しい」(じゅん)
「私は片道40キロの遠距離車通勤なのでガソリン代が大打撃。高速代は支給されないけれど、つい使ってしまって負のループ」(大福)
「車の維持費もろもろ。とくに東京なので駐車場代がなかなかお高い」(とどまる)
「固定資産税と車の税金の通知が同じ時期に届くのでつらいです」(やだま)

わかってる、わかっているけど溜息出ちゃう「奨学金」

「奨学金です。無利子なのはありがたいが、毎月1万5000円は地味に痛い。育休の無給期間は特にイタタタタ…」(chocola)
「奨学金の返済!産休育休中は減額しないとやっていけないので、返済期間がさらに延びてしまうのが憂鬱です」(えり)
「大学へ行ったことは後悔していませんが、月2万の支払いがなければ他のものに充てられるのになぁとは、つい考えてしまいます」(りさ)

視力の悪さが恨めしい「コンタクトレンズ代」

「コンタクト代と美容室代。仕方ない出費だけど、この金額を貯金できたらもっと貯まるのに……と、つい思ってしまいます」(ひろ)
「2weekを使っていましたが、液を買い足すのが重いしお金かかるしバカらしいなと思い、衛生面も考えて1dayのものに変更。でもやはりお金がかかるしストックの保管スペースも必要だし、それもまた不満……。目が悪いって損しているなと思ってしまう」(こまつ)

【番外編】この際だから言わせて! 必要経費とは思えないモヤモヤ出費

「夫の服飾代です。ウォークインクローゼットに収まらず、床に転がっているほど大量にあるのに2週間に2~3着買ってきます。安くはない価格で、しかもすぐ飽きて着なくなる。やめてと言っているのに『ストレスが溜まる』と言ってやめない。おかげで貯蓄はできず本当に無駄」(はっぱ)

「インターネットの使用料。夫のオンラインゲームのためにいいものを使っているのでお高い」(ましろ)

「裕福な家庭で育った夫は『牛肉は国産!』と、こだわるので、焼肉をすると食費がかさむ。あと、前日の残り物を出すと絶対に食べない。もうちょっと融通が利いてくれたらなぁ」(ゆう)

「月16万の二世帯住宅ローン。なぜ親の居住費分も私たち夫婦が負担しなくてはならない?」(あとあ)

「……義父の滞納した社会保険料の返済」(むっ)

「使用していないし、今後も使用予定のない土地の固定資産税」(pp)

このほかにも家賃、帰省代、もろもろ税金、保険料などの声が寄せられました。

政府の補助金が終了することから値上げされる電気料金や一部の食品なども6月から値上げに。さらに値上がり?と、考えるだけで恐ろしい状況です。「そんな時こそ、長期的な視野で家計を見直すチャンス」と、言うのは1級FP技能士の前田菜穂子さんです。その理由を伺いました。

「ピンチはチャンスです! その出費、すっきりさせましょう」と、専門家

「私は相談されるお客様に常に言っているのが『家計のことは一人でモヤモヤと考え込まないこと、夫婦で対策を考える』です。

お金の話がしにくいなぁ、そのうちでいいかなぁと、考えてしまう夫婦って意外に多いのです。
とりあえずお小遣いを減らす、外食を減らすなど、一時しのぎの『我慢するだけ』に着手しがちですが、ストレスと喧嘩の種が増えるだけで3日坊主で終わります。

“痛みを感じている今”だからこそ、お金の計画という“面倒な話”を切り出すチャンスなのです。家族の協力を得ながら『支出の構造を改革』してみませんか。

保険、通信費、定期購買、住宅ローン金利等の固定費見直しは必須です。一例として

光熱費が高い=太陽光発電と蓄電池等を国や自治体の補助金を受けながら導入。省エネ家電への買い替え。
車関連費が高い=車をハイブリッド等に乗り換える、
コンタクトレンズ代=レーシック手術で視力を良くする。

奨学金返還が大変という方は、返還期限猶予や減額制度の確認をしましょう(どの方法を利用するかは奨学金の種類や家庭ごとに異なります)。

一時的に支出は飛び出しますし、利用できる方も限られます。
けれども一番大切なのは夫婦で作戦会議をすることなのです。趣味や旅行、帰省に関して『こんなに大変だったんだ』と改めて認識し、回数や金額を協力しあう相談者カップルを、私はたくさん見てきました。

この時に大切なのは『計画的にお金を使う』、『自分で人生をコントロールする感覚』をお互いが持つことです。

子育て世代なら『教育費のピーク』が間もなくやってきます。
今回の話を足掛かりに長い目で見た“豊かな生活”を目指して話し合ってみてください。

家族で夢を共有し、値上げの波へ立ち向かう知恵を出し合えたらいいですね」

前田菜穂子

PROFILE)
みつめFP事務所代表で、1級FP技能士(国家資格)、CFP®(日本FP協会)、育勉®インストラクター、日本学生支援機構認定スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月~令和5年9月)FPmamaFriendsおこづかい教室認定講師。猛烈に働いた13年間の会社員生活での挫折や長く続いた不妊治療経験など、人生の壁にぶつかったことをきっかけに、金融業界未経験ながら5年間猛勉強してFPの資格を取得。“今より幸せで円満な家庭づくりのお手伝い”をモットーとし、娘として、妻として、母として、そして専門家として広い視野をもち、親子や夫婦でも話題にしづらい「お金のハナシ」に向き合うきっかけを提供しています。プライベートでは一児の母。

みつめFP事務所「みつめfp.com」

Amebaブログ「オンライン親子おこづかい教室|家計診断FPなおママ」

FPmamaFriends「おこづかい」から始めるこどもの自立教育

文/和兎 尊美

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023年4月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数343人)
※記事の内容は2023年6月の情報で、現在と異なる場合があります。

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