【インタビュー】ViZiT、6月14日始動「行動に移さないとその先はない。やらずに後悔だけはしたくない」

6月14日に行われる単独公演<advocate of calls>にて、ヴィジュアル系バンド・ViZiT(読み:ヴィズイット)が始動する。

メンバーはLAER(Vo/読み:ラエル)、RAiNA(G/読み:ライナ)、MiYA(B/読み:ミヤ)、HAKUYA(Dr/読み:ハクヤ)の4人。本インタビューでは、バンドのコンセプトや結成に至るまでの経緯に加え、始動直前のメンバーの思いをお届けする。

◆ ◆ ◆

──まずはバンド結成に至った経緯からお話を聞かせていただけますか。

LAER:僕が声をかけて、メンバーを集めていったことがきっかけです。

HAKUYA:とある現場で話があるって呼び出されたと思ったら、突然「バンド組まないか」って(笑)。でも、実はその一か月ほど前にサポートドラマーとして地方のライヴに行ったとき、たまたまLAERさんの先輩と会って、彼の話になったんです。だから声をかけられた時は、これもなにかの縁だろうから細かい話はいいやと思って、一緒にバンドを組もうと即決しました。誰にも話してなかったけど、僕もずっとバンド組みたいと思ってたから、この誘いはすごく良いタイミングだったんです。

RAiNA:僕はHAKUYAさんの少し前にLAERさんから声を掛けていただきました。LAERさんのソロプロジェクトでギターを弾いていた子が僕の友達なんですけど、楽曲制作に専念するためにプレイヤーを退くということで、その後継者としてお話をいただきました。LAER PROJECTのライヴを観たことがあって格好良いと思っていたから、まさか自分が誘われるとは思ってなかったです。正式にバンドを組むのが初めてで音楽の活動歴も他のメンバーより圧倒的に浅いので、本当に僕で大丈夫なのか不安でしたし、その気持ちは素直にLAERさんにも話しました。自分が現状で心配に思っていることを紙に書き出して、一つずつ説明していきました。

LAER:RAiNAはすごく真面目なんです(笑)。まぁ、後から良くない部分が判明するよりは先に言っておいてくれたほうが良いけどね(笑)。

RAiNA:そうなんです。お断りするつもりはなかったので、後で色々と問題になるよりも今のうちに自分の良くない部分も全部お話しして、理解してもらったうえで入らせていただきたいなと思って(笑)。今までもバンドを組もうとしたことは何度もあるんですけど、色々と失敗してきたので、今回は成功させたいっていう思いがすごく強かったです。

MiYA:僕はHAKUYAさんに声をかけてもらって、ライヴの動画を送ってもらったことがきっかけです。映像を見て、すごく格好良いと思ったので「僕で良ければ是非やりたいです」って伝えました。でも、LAERさんとは面識がなく、僕が一方的に知ってる状態だったから、実際にお会いしてみて、もしも生理的に受け付けないって思われたらおしまいだなっていう不安は少しありました(笑)。

HAKUYA:まぁでも僕がせっかちだし、何回も話してみてMiYAのキャラもよく分かってるから「大丈夫、大丈夫。一刻も早く活動をスタートさせよう」って、勢いで話を進めていきました(笑)。

▲LAER
──バンド名であるViZiTの由来についても教えていただけますか。

LAER:これは、命名したHAKUYAさんに語ってもらうのが良いですね。僕自身もコンセプトとかってすごく拘りを持っているほうなんですけど、HAKUYAさんも一つひとつのことにしっかりと意味を持たせていて、自身の美学が強いんです。

HAKUYA:バンド名もそうですし、コンセプトが定まっているバンドに昔から憧れがあるので、ViZiTもやっぱりそういうバンドにしていきたいなって。バンド名を考えるときに一番に頭に浮かんだのが“visit”だったんです。“訪問、訪れる”っていう意味の単語で「オーディエンスが実際にライヴに来る」っていうのもそうなんですけど、音源を聴いて「心、気持ちがバンドに向かう」っていうイメージを連想しました。そこから少し捻りを加えて「ViZiT」に決まりました。発音としても濁音が入る「ヴィズイット」という言葉は、響きも良いなって。それに合わせてファンの名称も「Calls」(読み:コールズ)に決めました。文字通り「僕たちの行動に応えてくれる存在」という意味です。本格的な活動はこれからですが、メンバーも僕が提案したものに賛同してくれたので、この辺りの話はスムーズに決まっていきました。

──始動ライヴの前ではありますが、バンド全体のコンセプトや、これから曲やライヴで伝えていきたいことなど、現状で思い描いているものはありますか。

LAER:歌詞に関しては全員が主人公になれるような歌を意識して作っています。みんなが共感できるようなものをメインのテーマにすることは多いですね。ライヴでは、日ごろ学校や職場で発散できないようなパワーを爆発させられる場所を提供できるようにと思っています。初見で暴れるのが恥ずかしいと思う人もいるかもしれないけど、そこは僕たちが暴れまくってリードしていくので、安心してついてきてください。

HAKUYA:LAERさんの書く歌詞ってすごく前向きなんですよね。まだまだ彼を知らない部分はあるんですけど、歌詞の意味も自分なりに感じながらドラムで表現していきたいなと思ってます。

LAER:世の中やらずに後悔する人って多いと思うんです。でも、やっぱり行動に移さないとその先はない。だから僕は、せめてやってから後悔したいんです。SNSをはじめ、色々と発言しづらい社会ですけど、人を傷つけず、自分の言葉に責任を持ったうえで意志をしっかりと解放できる発言は必要だと思うんですよ。だから、誰かが攻撃される可能性は排除していくけど、僕ら自身がバッシングされるぐらいのことは別に構わないかな。怖がらず色んなことに挑戦し、表現していきたいなと思ってます。ロックバンドなんでね。

▲RAiNA
──前向きな楽曲とは反対に、衣装は黒で統一されていてダークな雰囲気を感じますね。

HAKUYA:見た目のインパクトとして、重厚感があるものにしたいという思いはありました。僕が思う格好良いヴィジュアル系の姿がこういうイメージだから、それを限りなく再現した感じです。

RAiNA:僕も自分がイメージするヴィジュアル系のバンドの衣装に近いかもしれません。色もそうですけど、レザーやエナメルの生地も使われていて、格好良く仕上がっていると思います。

MiYA:衣装について希望を聞かれたときに、僕は「絶対にフード付きが良い」ってお願いしました。奇抜な形をしたベースを使っていて、演奏してるとベースの重さでストラップが首にめり込んでくるので、フードは必須アイテムなんです(笑)。あとは、ロング丈も要望として出させてもらいました。

LAER:僕は「出せるところは全部出す」というのが衣装のコンセプトでしょうか(笑)。

▲MiYA
──皆さんがこうして集結する前、世の中では感染症の影響もあり、音楽を続けづらい環境も経験されていることと存じますが、その時期の音楽との向き合い方についてもお話を聞かせていただきたいです。

RAiNA:僕は二十歳で上京したんですけど、そこから今まで全くバンドを組んでいなくて。そんな中コロナ禍を迎えたので、バンドを組みたいという思いは持ちつつもなかなか上手くいかない状況が続いていました。でも、ご縁があって今こうして一人のバンドマンとして第一歩を踏み出そうとしているので、皆さんにも期待していただきたいですし、これからの自分自身にも期待しています。

MiYA:昔は本バンドも組んで活動していたんですけど、そこから違うバンドを結成して今はそこでボーカルをやってます。自分で立ち上げたバンドなので今後も続けていくんですけど、ベーシストしてもきちんと結果を出したいなって思ったのが、ViZiTに加入した理由の一つでもあります。ミクスチャーロックが好きで、そういう音楽をやってきましたが、LAERさんの作る、胸に突き刺さるようなサウンドを聴いて、ここでベースを弾きたいなって。

HAKUYA:僕は長年ずっと現役でやってきて、音楽を一回も辞めたことがないんです。業界から退いたこともなく、ずっと第一線で音楽をやってる人間です。ただ、近年はサポートとして活動することが多くなってます。ヴィジュアル系以外の界隈でやってたこともあるし、そこで学んだこともたくさんありました。でも、コロナの影響でそれまで月に15~20本ほどやってたライヴがなくなって、思うような活動ができなくなり、お客さんも離れていって、どうなるんだろうって不安になるときもありました。でもそんな中、僕がサポートしていたバンドも負けずに喰らいついていたから、僕も全力で協力したいと思って頑張りました。ライヴ当日に曲を渡されるなど、どんなに無茶な頼みでも絶対に断らなかったです。その時はとにかくみんなに応えたい気持ちが大きかったんだと思います。ただ、その頃から「サポートじゃなくて本メンバーとして活動したい」という気持ちも芽生え始めていました。バンドのミーティングとかで気まずい雰囲気になっても、僕はサポートの立場だから会話に入れない。見ているだけでなにもできないんですよ。メンバー同士で言い合ってるのを見て「やっぱバンドって良いな」って思うようになりました。「音楽で人とぶつかって熱くなれるのって本当のメンバーじゃなきゃ無理なんだな」って。だから、今こうしてバンドを組めるのってすごく嬉しいことなんです。この先いろんなことはあると思うけど、今は純粋にこの瞬間がすごく楽しいです。

LAER:僕はコロナの時期はずっと楽曲制作に力を入れてました。あるご縁でお世話になったプロデューサーから連絡をいただいてお話をしているうちに、日本だけじゃなく世界に目を向けようって思ったんです。海外の人気アーティストの楽曲にも携わらせていただいて、色んな経験ができました。Jesus Jonesの来日盤「Still Smiling」のリミックス担当や2023年の来日公演のゲネのメインオペレーターも務めさせていただきました。それ以外でもNÖCTÆの楽曲「Vipers」「Believe」「TIMELESS」もリミックスを担当させていただき、すごく勉強になりました。元々ジャンルの垣根を越えて活動していきたいと思ってましたし、これまでも積極的にそういったイベントを行ってきたので、ボーカリストとしてだけでなく、海外アーティストやアイドルの楽曲制作も引き続きおこなっています。

▲HAKUYA
──6月14日の始動ライヴ、そしてその先の活動についてメッセージをいただけますか。

RAiNA:ここからViZiTも僕のバンド人生も始まっていくので、死ぬ気で気合い入れて頑張っていきます。

HAKUYA:RAiNAは真面目過ぎるから、もうちょっと気楽に構えてもらって良いよ(笑)。ライヴで「背中叩いてもらって良いっすか!!」とかも要らないからな(笑)。もう少し力を抜くところは抜いて、みんなで楽しんでいこう(笑)。

MiYA:僕は基本、賑やかな雰囲気が好きなので、良いライヴを見せて楽器隊のリズムを楽しんでもらいたいです。少しでも格好良いって思ってもらえるような音、姿をこれから見せていきます。

HAKUYA:定期的にただライヴをやってますっていうんじゃなくて、どんなかたちでも良いから一本一本ちゃんと意味を持たせるライヴにしたいです。東京からスタートして、今後は47都道府県に広めていきたいですし、ゆくゆくは世界にも広げていきたいです。まずは6月14日がその第一歩となるワンマン。バンドとしてもメンバー各々としてもこの日のライヴでまた目標が見つかると思うし、Callsのみんなと一緒に記念すべき日をお祝いしたいと思います。

LAER:今はまだ試行錯誤中ではありますが、この4人じゃなきゃ作り出せない空間、ここじゃなきゃ遊べないステージを表現して、みんなに楽しんでもらいたいです。常に高みを目指し更新し続けていけるようなバンドでありたいと思ってます。そんなViZiTの今後の活動を楽しみに追いかけてもらえたら嬉しい限りです。

取材・文◎藤代冬馬

<ViZiT始動単独公演『advocate of calls』>

2024年6月14日(金)上野音横丁
OPEN:18:15 / START:19:00
TICKET:ADV ¥2,500 / DOOR¥3,000 各+D
購入:https://eplus.jp/sf/detail/4101530001-P0030001

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