【120年に一度だけ咲き…この後どうなるの?】謎に包まれた竹の花が三春町で開花・福島県

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「120年に一度だけ咲く」と言われている珍しい花の話題です。

■近所の人の案内で現場へ

「これです、これ」

取材に伺ったのは、三春町。

目の前に広がるのは…茶色く変色し、ほとんどが倒れかけている竹です。

■近所の人

「おっかないよって言ったんだもんね。気持ち悪いってよくそばに行って見てみたら麦の穂みたいに出ている」

■近所の人

「初めて見ました。80代半ばで初めてです」

穂のように先が割れ、おしべのようなものが出ている部分が実は花です。

近所の人も80年以上、生きてきた中で初めて見たという竹の花。それも、そのはず…

■広島大学総合科学部長(植物生態学)山田俊弘教授

「120年に一度ぐらいの出来事だろうといわれてます」

ハチクという種類の竹で花が咲くのは…なんと120年に一度!

■山田俊弘教授

「花が咲いた後に種は出来ないし、それから本体は枯れていくしっていうことで、一体なんのために咲かせてるんだろうっていう不思議は残っている植物です。」

種に加え、地下の茎から出る若芽=タケノコも生えないんだそう。

どうやって今に存在しているのか…120年前の開花の記録も、あまり残っておらず生態は、謎に包まれたままです。

■山田俊弘教授

「2020年代をピークに日本各地で今、今まで咲いてこなかったハチクが急に咲いているという現象が起こってます」

隣の宮城県を始め、いま全国各地で竹の花が開花しています。

花が咲いたら枯れるため各地で一斉に開花すると心配も…

■山田俊弘教授

「竹が枯れてしまうと今まで竹林によって覆われていた場所っていうのがあらわになってしまうというわけですから、そういった時に強い雨が降ってしまうと土は流れやすい状態になるでしょうし、そういったことは心配なことの一つです」

知れば知るほど謎が深まる竹。専門家によりますと前回の大規模な開花の記録は1902年から1908年ということで、開花周期を考えると2028年ごろまでは各地で竹の開花が予想されるということです。

「ハチク」は奈良時代には中国から日本に伝えられたと考えられていてこれまでに数回の開花を乗り越えていることになるそうなんですが…その生態は明らかになっていないということです。

また、三春滝桜の主治医を務めている樹木医の鈴木俊行医師は、須賀川市や矢祭町など各地で竹の花を目撃したと話します。

また、花が枯れる理由について、残った部分から出るタケノコの成長のため、日当たりをよくするためではないかと予想しています。

いずれにせよ、なぜタケノコで子孫を残すことができるのに花を咲かせて枯れていくのか?

私たちにとって身近な植物である竹にはまだまだ深い謎が隠されているのかもしれません。

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