高橋克実、『9ボーダー』齋藤潤は「しっかりしていてすごい」 上京した頃の銭湯の思い出も

毎週金曜22時よりTBS系で放送されているドラマ『9ボーダー』第9話の放送を前に、高橋克実のインタビューコメントが公開された。

本作は、19歳、29歳、39歳と、各年代のラストイヤー=「9ボーダー」真っ只中の3姉妹を主役としたヒューマンラブストーリー。父の突然の失踪を機に一つ屋根の下に集結した3姉妹が、「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の“3L”をテーマに、モヤモヤや焦りを抱え幸せになりたいともがきながら、人生を前向きに進んでいく姿を描く。

高橋が演じるのは、大庭家が営むおおば湯の店主であり、姉妹の父親である大庭五郎。若手キャストが多い現場で、高橋は九吾役の齋藤潤とどのような会話をしたのだろうか。

「今、高校2年生なんですよね。映画の『キングダム』を観て、この世界に入ったという話を聞きました。なので『思い立って飛び込んで、こうしてテレビにすぐ出ているんだから、このまま『キングダム』にも出られるんじゃない?』と伝えました」

齋藤は現在17歳だが、自身のその歳の頃との違いを高橋は明かす。

「僕らの頃は、『太陽にほえろ!』という伝説的な刑事ドラマがあって、影響を受けていない人はいないと思うほど、当時の高校生はみんなが観ていました。僕もあの世界に憧れたんですよね。16、17歳の時に何か目標を立てたとか、そこからすぐ直で役者を目指したわけでもなく、ただただ憧れていただけでした。それを考えると、齋藤くんはしっかりしていてすごいなと思います」

七苗役の川口春奈、六月役の木南晴夏、八海役の畑芽育の“3姉妹”についてはどのように感じているのだろうか。

「この前やっと、お母さん役の堀内敬子さんが出てきてくれたのでちょっとホッとしました。あんなきれいな3人が僕からよく生まれたなと、どう考えても多分視聴者の方も納得いかないと思うので(笑)。美しいお母さんを見て、なるほどと納得していただけたと思います」

高橋にとって、銭湯はもともと“非日常”の存在だったという。

「実家にいた時は家にお風呂があったので、子どもの頃は銭湯にはあまり行かなかったですね。銭湯は『行ったことないから行ってみたい』と思っていました。それこそTBS日曜劇場の『時間ですよ』で観るくらいでした。銭湯が日常になったのは、東京に出て来てから。町の定食屋に入るのとか銭湯に入るのって、すごくドキドキしました」

上京してからは終電で帰り、銭湯にギリギリで駆け込んでいたエピソードを明かす。

「親と関係なく自分でお金を払って1人で風呂に入ること自体がワクワクしましたし、あとは家のお風呂にはシャワーがなくて湯船のお湯で体を洗っていたので、銭湯にあるシャワーがすごく気持ちよかったのを覚えています。今でもパーっとシャワーを浴びていると、ちょっとぜいたくな気持ちになります。あとは住んでいた笹塚に夜1時までやっている銭湯があって、だいたい終電で帰ってきてギリギリで駆け込んでいました。僕が住んでいたアパートからすごく近かったのですが、新宿でお芝居を観た後に飲んで帰ってくると、当時は小劇場の俳優さんたちもいっぱいその銭湯に来ていて、みんな黙々と体を洗うっていう妙な光景でしたね」

その記憶や体験は今回の演技にも活かされているのか。

「実生活では今回の役どころのように経営をしているわけではないので(笑)。でもやっぱり昔から銭湯をいろいろ調べたりしていたので興味があったんだと思います。例えば友達の家に泊まりに行ったときや、都内でも、それまで行ったことがなかった場所で銭湯を見つけるとすぐに行っていました。お湯が何種類もあるとか、冷蔵庫にある飲み物とか。舞台で地方公演に行くと、みんなで一緒に銭湯に行ってたんですよ。そうやって、いろんな銭湯を見てきたので、今回、雰囲気はすごくよく分かっているつもりです」

失踪したり戻ってきたりする五郎役には“憧れ”も感じたという。

「五郎のようにあっちへ行ったりこっちへ行ったりできるっていうのは羨ましいですね。ちょっと憧れてしまいます」

もし高橋がやむを得ない事情で失踪することになったら、どのような行動をするのだろうか。

「追い込まれているはずだから、まずはとにかく逃げなきゃ(笑)。でもやっぱり戻るとしたら、きれいにしてからみんなに会いたいと思うんじゃないでしょうか。だからきっとその前に銭湯に行きますね。銭湯ってやっぱりそういうところがありますよね。今だとサウナで『整う』っていうのがありますが、やっぱり『整理をつける』っていう気持ちの面もあると思います」

そんな高橋が、芝居をする際に特に大事にしているのは健康・体調管理なのだという。

「特別なルーティンなどはないのですが、撮影前はなるべく深酒をしないということは決めています。例えば舞台の場合は、稽古・本番・旅公演を入れるとだいたい3カ月は酒を飲まないですね。酒を飲むとしゃべりすぎるからか声も出しにくくなるので、けがをしないように注意するのと同じで、ドラマでも、やはり健康・体調管理を一番に考えています。毎日全然飲まないわけではないですが、飲み過ぎないようにすごく気をつけています」

最後に、視聴者に向けてメッセージを贈った。

「観た後に、『あ、今日は家のお風呂じゃなくて銭湯行ってみよう』と思っていただけたらいいなって思いますね。やっぱり家のお風呂より大きいですからね。まだ混んでいない時間帯、開店したばっかりの空いているときがいいんですよ。風呂桶が「ゴーン!」とかいって響くんですよ、人がいないから。ああいう独占する感じがいいですよね。歌とか歌っちゃいたくなるような」
(文=リアルサウンド編集部)

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