父子で共謀“26億円不正支出” 父親(64)「いい加減にしろ」と言うも送金 長男(35)「逮捕されるような大ごとだとは」6億5000万円分の横領は起訴内容認める

村田俊樹被告(35)

総合建設業ヤマウラの巨額不正支出事件です。元社員とその息子が業務上横領の罪に問われています。6月13日、息子の2回目の公判が開かれ、「間違いありません」と起訴内容を認めました。

■長男は6億5000万円分の横領は起訴内容認める

左)村田俊樹被告(35) 右)村田浩幸被告(64)

業務上横領の罪に問われているのはヤマウラの元社員・村田浩幸被告(64)と長男で長野市の会社役員・俊樹被告(35)です。

起訴状などによりますと、2人は共謀して2020年から2023年までの間に浩幸被告が経理を担当していたヤマウラの子会社の口座から8億3600万円を引き出し、俊樹被告が代表を務める会社の口座に送金して横領したとされています。

ヤマウラ(長野県駒ケ根市)

6月13日、俊樹被告の公判が開かれ、6億5000万円分の横領については「間違いありません」と起訴内容を認めました。1億8300万円分については、弁護側が検討中とし次回公判に持ち越しました。

ヤマウラの調査では不正支出は2013年以降に総額26億円を超えるとされています。

■父親「いい加減にしろ」と言うも最終的に送金

村田俊樹被告(35)の自宅を家宅捜索 

検察側は犯行のきっかけは「俊樹被告が過去、勤めていた建機レンタル会社で業績を上げようと、自腹で値引きや接待を繰り返して多額の借金を抱え父親の浩幸被告に金の工面を依頼した」と指摘。「何度か繰り返すうちに浩幸被告も『いい加減にしろ』と言うようになったが最終的には送金していた」などと述べました。

また、検察側は俊樹被告は「犯罪だとは分かっていたが、逮捕されるような大ごとだとは思わなかった」と話していることも明らかにしました。

次の公判は俊樹被告が7月18日、浩幸被告が7月11日に予定されています。

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