野菜食い荒らす「オオタバコガ」 群馬県が10年ぶり注意報 平年の4~11倍

オオタバコガの幼虫(県農業技術センター提供)

 幼虫時に野菜や花卉(かき)を食い荒らす害虫「オオタバコガ」の発生が増えているとして、県農業技術センターは13日、県内全域に注意報を発令した。2014年8月以来、10年ぶり。ナスやトマト、レタスで被害が発生しており、農薬の散布や防虫ネットを張るなど早めの対策を呼びかけている。

 同センターによると、県内6地点のうち、太田を除く前橋、伊勢崎、藤岡、東吾妻、昭和の5市町村で4~5月に捕獲された成虫が平年の4~11倍に上った。この時期に捕獲されるのは越冬した成虫で、産卵時期を迎えてこの先幼虫が多く発生する恐れがある。

 卵は野菜の葉に産み付けられ、幼虫の体長はサナギ間近で約4センチ、色は淡い緑や黄色、褐色などさまざま。葉だけではなく実の中に入って食べるため、実に穴が空いて商品価値がなくなるという。

 今後も気温が高く、オオタバコガの成育に好適な条件が続く見込み。幼虫の発生が平年より早く、多くなると予想されるため、同センターは「小まめにほ場を見回り、幼虫が実の中に入る前に農薬をまくなど防除してほしい」とした。

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