「これを18ホール続けるか…」石川遼は同組のメジャー王者に感服

石川遼は初日6オーバーと出遅れた(撮影/村上航)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 初日(13日)◇パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2(ノースカロライナ州)◇7548ヤード(パー70)

序盤2番、グリーン手前からの3打目をパターで打つと、同組のセルヒオ・ガルシア(スペイン)から声が飛んだ。「ナイスパット」。石川遼が残したパーパットは2m近くあっても、好プレーだと思える。息をつく暇がない、ことしの全米オープンだ。

パッティングの重要性も極めて高いコース(撮影/村上航)

パーを並べて迎えた4番でまずスコアが動いた。UTでの第2打はピンの奥、エッジ近くにパーオン。下りバーディパットを2mオーバーさせ、返しを外した。「キャリーで奥に行ったのは誤算でしたけど、2パットでいけないことはなかった」とボギーを悔やむ。続く5番(パー5)で第1打を左ネイティブエリア入れたのをきっかけに2連続でスコアを落とした。

折り返し直後の10番(パー5)で3mを沈めたのがこの日、唯一のバーディ。「中盤から徐々に悪くなってきて、なかなか直せなかった」とショットの乱れが、耐える展開に拍車をかけた。後半インでフェアウェイキープに成功したのはパー3を除く7ホールで2回だけ。ロケーションによるものでなく「自分の中の問題。今週どこでやっていたとしてもたぶんこういう感じだったと思う」とため息をついた。「良くても、3オーバー、4オーバーのような内容のゴルフ」は1バーディ、5ボギー1ダブルボギーの「76」。6オーバーと出遅れた。

最終18番もネイティブエリアからの2打目を強いられた(撮影/村上航)

難コースでの初日は午前中から各組が詰まり気味だった。ひとつ後ろの組のブルックス・ケプカ、コリン・モリカワは「70」でイーブンパー。トップ選手の精度の高いショットを都度眺めていた。

同伴競技者の2017年「マスターズ」王者のガルシアは「69」で1アンダー。「お手本みたいなプレー。僕だったら250点あげたいようなゴルフをサラッとやっているように見える。これが20年以上トップにいる人の力」と差を痛感した。

同組でプレーしたセルヒオ・ガルシアに感服した(撮影/村上航)

「ガルシアはほぼ全部フェアウェイ(キープ率92.85%=13/14)、ほぼグリーンにのって(パーオン率88.89%=16/18)みたいな感じだった。『これを18ホール続けるか…』と。そのすごさを感じざるを得ないので悔しい、自分もショットはそんなに悪い感じでなくてここに入ってきた。割と自信はあったが、発揮できなかった」。前週の国内メジャー「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」はプレーオフ負けの2位。調子を海の向こうまでキープできなかった。

序盤こそフェアウェイキープとパーオンを続けていたが…(撮影/村上航)

2日目は午後のプレーが待つ。60位タイまでの予選カットラインのスコアは「ぜんぜんわからない」と想像もつかない。「きょうよりあしたは手元に情報がある。それを生かして良い内容を目指してやっていきたい」と上を向いて食らいつく。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

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