イーグル奪取の渋野日向子はポアナ芝に苦戦 ショット復調ゆえ「余計ムカつきます」

渋野日向子はスコアを伸ばせず後退。グリーンに手こずった(撮影/村上航)

◇米国女子◇ショップライトLPGAクラシック by Acer 2日目(8日)◇シービュー ベイコース(ニュージャージー州)◇6190yd(パー71)

誰も予想していない、あっと驚くプレーも戻ってきた。痛い3パットボギーで後退した直後の後半12番、渋野日向子の2打目はカップに吸い込まれて今季初イーグルになった。

残り75yd、ロフト54度のウェッジでピンを狙った。前半2番でピン左手前から6mを沈めてバーディを先行させながら、2つのボギーで後退していたタイミング。「かなり悪い流れで来ていた。ラッキーだったかなと。入ってくれて、ちょっと落ち着いた感じはありました」と、よどんだ空気を断ち切った。

メジャーで得たショットの復調傾向を引き続き感じている(撮影/村上航)

終盤17番(パー3)で再び3パットボギーを喫し、1イーグル1バーディ、3ボギーの「71」。前日の5アンダーから動かせず、10位から27位に順位を下げた。首位との5打差をキープしても「もうちょっと近づきたかったし、自分も伸ばしたかった」と悔しい。

笹生優花とのプレーを2日間ともにした(撮影/村上航)

当地のグリーンを作るポアナ芝は日中の生育でボールを不規則に転がす。午後2時前のティオフで、隣の笹生優花、ハンナ・グリーン(オーストラリア)と同様、渋野も何度もチャンスを外した。

最終18番(パー5)はバンカー内で少し沈んだボールをピン奥3m弱につけながら、バーディパットがまたカップ際を通過。「それ(グリーン)だけでの問題ではないと思います。やっぱり打ち切れていない部分もたくさんある。だがしかし…、跳ね過ぎかな。難しい」と呆れたくもなる。

バンカーショットを寄せてもパッティングが…(撮影/村上航)

前週2位に入った「全米女子オープン」でつかんだショットの復調傾向が続いている。その分の集中力をパッティングに注げるようになった。「ことしの最初の方を考えると、できているとは思うんで。だから余計、ムカつきます」

笹生優花と最後にハグ(撮影/村上航)

2試合連続の予選通過となった3日間大会。「あしたで終わりなんで」と厄介なグリーンに背を向けつつ、その最終日への意欲は尽きない。「もったいなかった一日ではあるけれど、まだチャンスはある位置だと思う。しっかり諦めずに頑張ります」。自分への期待も再び、少しずつ膨らんできた。(ニュージャージー州ギャロウェイ/桂川洋一)

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