「Meta Quest 3」で最新MRヨガを体験、実在の講師がお手本に

ヨガ・アスレジャーブランドAloが展開するウェルネスおよびフィットネスプラットフォームの「Alo Moves」が、「Meta Quest 3」向けに新しい複合現実(MR)アプリの開発を進めている。筆者は、マンハッタンにあるAloの店舗で、そのアプリを実際に体験する機会を得た。そして、仮想現実(VR)が時に現実のエクササイズにさらなる次元を加えられることを実感した。

2024年内のリリースを予定している(6月中旬にベータテスト開始)このアプリを開発しているのは、アカデミー賞受賞歴のあるビジュアルアーティストらによって設立されたテクノロジースタジオMagnopusだ。ユーザーは没入的な世界でピラティスやヨガ、瞑想の中から好きなワークアウトを選ぶことが可能で、実在のインストラクターが3Dになった姿でバーチャルの背景に映し出される。この効果は、ルームマッピングとボリュメトリックキャプチャー技術を使用して作り出されている。

このMRアプリの素晴らしい点は、ヨガやピラティスのクラスの最前列にいるときと同じようにインストラクターの動きを間近で見られることだ。ただし、実際のクラスとは異なり、VRヘッドセットを装着している。さらに2人の「ミニ」インストラクターがおり、ユーザーはそれらのインストラクターを文字通り持ち上げて、自分の周りに配置することができる。これにより、インストラクターの動きをあらゆる角度から見ることが可能になる。

これらはすべてバーチャルな背景に映し出されるので、ユーザーはMRの中で3Dになった本物のインストラクターと一緒に身体を動かすことができる。

Alo Movesアプリを使ってみる

VRヘッドセットを装着したときの重たい感じは、ヨガやピラティスなど、ストレス解消と呼吸に重点を置いたワークアウトをしようとするときに筆者が通常求めているものと対極にあるように感じた。しかし、このMRの世界の素晴らしさを体験すると、それはすぐに気にならなくなった。

ピラティスモードやヨガモードの準備が完了すると、ホログラムのような等身大インストラクターが目の前に現れるというのは現実離れした体験だ。自分のそばに、同じインストラクターのミニバージョンが2人配置されるので、インストラクターのフォームや動きをまねしやすくなっている。よく見えないときは、ミニインストラクターを持ち上げて、好きな場所に配置することも可能だ(筆者はVRを頻繁に使用するわけではないので、実際の人間を投影した3Dバージョンであるインストラクターを動かすのは、境界線を侵しているように感じた)。

これらは、本物のインストラクターのボリュメトリックキャプチャーであり、機械学習カメラを使って作成されている。このカメラで実際のクラスを録画し、その後、録画した素材にさらに処理を施して作り出されたビデオ風バージョンのインストラクターがアプリに映し出されるという仕組みだ。

Meta Questを装着した状態でのヨガや瞑想

筆者は、ピラティスモードもヨガモードも途中までしか試していないので、ヘッドセットを装着してエクササイズを最後まで行ったときのワークアウトの動きについて評価することはできないが、一般的なヨガやピラティスの動きと同じように首を上下に動かしてみたところ、ヘッドセットを装着した状態では少し不自然に感じた。ヨガやピラティスでは、全身をねじりながら、頭と首を上下に動かすことが多いので、Meta Quest 3でレッスンをする人は、少なくとも多少の違和感を覚えるのではないだろうか。アプリは突発的な動きが発生しないように作られてはいるが、頭が少し動くことは避けられない。ただし、こうした違和感の一因は、筆者がVRに慣れていないことやヘッドセットの調整に不慣れなことにある可能性も考えられる。

現在は3つのモード(ヨガ、ピラティス、瞑想)を切り替えて使用することができるが、この3つのうち、筆者が最もおもしろいと感じたのは瞑想モードだ。瞑想モードでは、バーチャルな背景にBGMが加わるので、ただヘッドセットを装着して、美しい偽物の背景と仮想世界に没入することのメリットが分かった。

アプリのリリース日と料金についての最終的な発表はまだだが、Meta Quest 3は499.99ドル(日本では税込み7万4800円)で購入できる。厳密に言えば、このアプリはまだ開発段階にあり、Alo Movesによると、最終的なユーザーエクスペリエンスについては、今後さらに詳しい情報が発表される予定だという。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

© 朝日インタラクティブ株式会社