東日本国際大2年ぶり4強 全日本大学野球、上武大との激戦制す

【上武大―東日本国際大】三回からマウンドに上がり、上武大打線を無失点に抑えた東日本国際大のエース藤井=神宮球場

 第73回全日本大学野球選手権大会は第4日の13日、神宮球場で準々決勝4試合が行われた。東日本国際大(南東北大学野球連盟)は延長十回タイブレークの末、上武大(関甲新学生野球連盟)を4―3で破り、2年ぶりの準決勝進出を決めた。

 初の決勝進出が懸かる東日本国際大の次戦は大会第5日の15日、同球場で行われる第2試合で早大と対戦する。午後2時開始予定。

 ▽準々決勝

東日本国際大
 0000020101―4
 0030000000―3
上武大
(延長十回、十回からタイブレーク)

(東)磯前、永井、藤井―三井
(上)木口、芳野、大井、酒井、井出―平井
▽本塁打 真野(上)
▽二塁打 北野、山本(東)上領(上)▽捕逸 三井(東)▽ボーク 芳野(上)
▽試合時間 2時間55分
▽審判 中野(球)富田、竹田、後藤

 【評】東日本国際大が延長十回タイブレークの接戦を逆転勝ちで制した。3点を先制され、六回に2点をかえすと、八回は佐藤の犠飛で同点に追い付いた。無死一、二塁から始まる延長十回は黒田の安打で無死満塁とし、森川の犠飛で勝ち越した。投げては三回途中から登板した藤井が走者を背負いながらも、無失点と好投した。延長十回は先頭打者から併殺を奪って勝利を引き寄せた。(熊田紗妃)

 エースが救援、上武大抑えた

 2年ぶりのベスト4に導いたのは、エースの投球だった。「腕を振るだけだった。無失点で抑えられたことにほっとしている」。ピンチを切り抜けるたび、東日本国際大のエース藤井優矢(4年)は拳を握りほえた。

 先発投手が2点本塁打を浴びるなどして3点を奪われ、上武大がペースを握った。その中、三回途中からマウンドに上がると、内角の直球を軸に、攻めの投球で凡打の山を築いた。

 「疲れがあって体は思うように動かなかった」。3試合続けての途中登板だったが、気持ちで打者に向かっていった。支えたのは仲間への信頼だ。「仲間が追い付いてくれると信じて投げていた」。その思いに応えるように野手陣が食らいついた。八回に同点とし、延長十回に勝ち越した。

 その後、勝利が懸かるマウンドを託された藤井は、落ち着いたプレーで勝利を引き寄せた。十回は無死一、二塁で始まるタイブレーク。先頭打者がバントして飛球となったが、バウンドさせてから捕球。三塁に送球して三、二塁で併殺を奪った。「併殺を狙っていた。ランナーが走っていないのが見えたので挑戦した」と冷静だった。

 初の決勝進出を懸けた準決勝の相手は強豪の早大だ。「次も粘り強い投球をして自分たちの代で必ず決勝にいきたい」と藤井。次戦もチーム全員の思いを投球に込める。(副島湧人)

© 福島民友新聞株式会社