「行進曲べっぷ」管弦楽版で披露へ 別府市民フィルハーモニアが16日に演奏会【大分県】

第30回定期演奏会に向けて練習を重ねる別府市民フィルハーモニア管弦楽団=別府市のビーコンプラザ

 【別府】別府市民フィルハーモニア管弦楽団の第30回定期演奏会が16日、別府市のビーコンプラザで開かれる。演目の目玉は、戦後日本を代表する作曲家団伊玖磨氏(1924~2001年)が作曲した「行進曲べっぷ」。市制100周年に合わせ、吹奏楽用だった原曲を管弦楽版に編曲して披露する。

 「行進曲べっぷ」は1976年、別府大分毎日マラソンの第25回記念大会のために市の依頼で誕生した。同1月、団氏の指揮、別府商業高(当時)、北部中、中部中、市民吹奏楽団の合同演奏でお披露目した。

 現存する「行進曲べっぷ」のレコード(非売品)のジャケット裏には「風土を研究し、輝きを賛美した」「別府の繁栄とともに、この大行進曲が末永く高鳴る事を祈ります」との団氏のメッセージが記されている。

 別府大分毎日マラソンの選手入場時に陸上自衛隊別府駐屯地の第41普通科連隊音楽部などが演奏する以外は、聞く機会がほとんどない状況。管弦楽団実行委員長の内田博さん(85)は「力強さだけでなく叙情性もある素晴らしい曲が、市民の耳にあまり届いていないことが残念。いつかは演奏してみたい」と思い続けていたという。

 内田さんは管弦楽版に編曲することを団氏の遺族から許可を得て、県立芸術文化短大名誉教授の河野敦朗さんに依頼。市立図書館に保管されている総譜を活用した。市制100年と団氏の生誕100年の節目に、演奏することが実現した。

 市民フィルハーモニア管弦楽団は1993年に発足。定期演奏会と市民コンサートを毎年、開催し、市民に親しまれてきた。内田さんは「演奏会は30回を迎える。行進曲の素晴らしさを届けたい。演奏の機会が広がるきっかけになれば」と話している。

 演奏会は午後2時から。ドボルザークの「交響曲第9番ホ短調作品95『新世界より』」なども演奏する。市出身のピアニスト、渡辺智道さんも出演。一般千円、高校生以下500円(未就学児の入場は不可)。問い合わせは実行委員会事務局(0977.24.3887)。

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