ロッテ・横山陸人「いつ二軍に落とされてもおかしくない立場」と危機感 現在の状態は「よくはなってきてはいる」

◆ 現在3試合連続無失点中

ロッテの横山陸人は13日のDeNA戦に登板し1回を無失点に抑えた。

1-3の9回に登板した横山は先頭の筒香嘉智を高めのストレートで空振り三振に仕留めると、続く山本祐大を外角のスライダーで空振り三振。桑原将志にスライダーをレフト線に二塁打を打たれたが、京田陽太を中飛に打ち取り、9回の1イニングを無失点で終えた。

横山は6月5日に再昇格後、同日の巨人戦で2失点を喫したが、7日の広島戦から3試合連続無失点に抑えている。

現在の状態について「11日の試合はしっかり投げられましたし、自分の中でもよくはなってきてはいるのかなと思う」と、調子は上がってきているようだ。

◆ 再調整期間

横山はオープン戦から力強いストレートを投げ、開幕してからも「オープン戦から多少、上がっていってはいたと思うんですけど、まだまだ自分の中では真っ直ぐは良くなるなという感じもあるので、最後の最後まで突き詰めていければいいのかなと思います」(4月16日取材)と変わらず威力のあるボールを投げ込んでいた。

開幕から一軍でストレートを武器に抑えていた横山ではあったが、4月19日の日本ハム戦、3-3の9回にマウンドに上がるも、一死満塁から加藤豪将に押し出し四球を与えサヨナラ負けを喫し、その後は登板がなく、4月24日に一軍登録を抹消された。

「力みだったり、フォームのメカニック的なところがバラバラになってしまっていたのかなと思うので、そういうところをもう1回修正して次は力まないようにというか、力んでもしっかり自分のフォームで投げられるようにしていければいいのかなと思います」。

その中で、4月30日の日本ハム二軍戦から「ちょっとトライ的な要素なんですけど、試しにやってみたという感じで、大きな理由はないですね」と、走者がいない時に左足を上げた時にタメのないフォームで投げていた時期も。「実際に試合で投げてみて今の2回タメていた方が感覚的に良かったですし、フォームのはまりも良かったなという感じです」と5月18日のDeNA二軍戦から再び走者がいない時に二段モーション気味の投球フォームに戻した。

◆ スライダー

変化球でいえば、6月2日のヤクルト二軍戦で、フェリペを空振り三振に仕留めたスライダー、昇格してからの6月7日の広島戦で菊池涼介に対し1ストライクから投じた2球目、空振りを奪った130キロのスライダーは非常に良かった。

スライダーについて、本人は「あんまり良くないです」と苦笑い。「真っ直ぐがしっかり投げられているところだったりとか、相手にしっかり真っ直ぐを意識させられている結果がスライダー空振りになっているのかなと思うので、あとはスライダーを投げる高さ、コースというところ」と自己解説。

「自分はスライダーが良くないと思っているので、その高さ、コースを気にして投げている結果が、空振りだったりとか、そういうのに繋げていると思います」と続けた。

◆ 「いつ二軍に落とされてもおかしくない立場」と危機感

勝ちパターンのリリーフ陣を固定せず、複数の勝ちパターンで逃げ切る形を作るマリーンズにおいて、若い横山がそこに割って入って来れるような存在になってくれば、夏場に向けて明るい材料になる。

横山は「とにかくまだまだいつ二軍に落とされてもおかしくない立場だと思うので、これからしっかり結果を出してなんとか一軍にしがみついてなんとか勝ちパターンで投げられるようにしていければいいかなと思います」と意気込む。

横山の調子のバロメーターは「ストレートの制球、質、強い真っ直ぐ、指にかかってくるかが一つ基準になってくるかなと思います」と話す。ストレートの制球に磨きをかけ、力強いボールで相手打者を圧倒していきたい。

取材・文=岩下雄太

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