気象庁船が長崎に寄港 線状降水帯予測へ水蒸気観測 

寄港中の凌風丸=長崎港小ケ倉柳ふ頭

 大雨災害を引き起こす線状降水帯の予測精度向上に向けて、水蒸気量を測定する気象庁の海洋気象観測船、4代目「凌風丸」(1986トン)の見学会が13日、長崎市小ケ倉町3丁目の長崎港小ケ倉柳ふ頭であった。
 同船は全長85.63メートル、幅14メートル。気象庁の航海士や観測員らが乗り込み、気象状況や海洋環境を監視する。3月の竣工(しゅんこう)後初めての水蒸気観測で、出水期(6~10月)の線状降水帯予測に向けたデータ取得のため九州西方海域を航行。5月末に東京を出港し、補給のため今月12日から長崎港に寄港している。
 見学会では、同庁職員が船の甲板部分にある海上水蒸気観測装置について「大気中の水蒸気量が多くなるほど、人工衛星からの電波到達が遅れる。この性質を利用して水蒸気量を観測し、線状降水帯発生を予測している」などと紹介。また女性職員の増加に伴い、トイレや風呂場、洗濯機などを新たに設けた女性用区画を説明した。

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