「いい感じで盛り上がった」イーグルも奪取 清水大成は“初舞台”で日本勢最上位発進

初の全米オープンに参戦している清水大成が日本勢トップの順位で初日を終えた(撮影:ALBA)

<全米オープン 初日◇13日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70>

最終組の1つ前でスタートしたころには、首位が5アンダーだった。世界一決定戦に初出場の清水大成は「スタートするまで不安はあった。かなり難しいんじゃないかって」という心境とともにティオフすることになる。

すると、いきなり3パットのボギー発進。出鼻をくじかれたようにも思えるが、「あまり悪くは思わずっていうか、そこからいつも通りにできました」。3番で6メートルを決めて取り戻すと、この日のハイライトともいえるプレーが飛び出す。

この日582ヤードに設定されていた5番パー5。ティショットをフェアウェイセンターに運ぶと、残り220ヤードから5番アイアンを振り抜いた一打は3メートルにピタリとついた。これを沈めてイーグルを奪う。「完璧でした。いい感じで盛り上がりました」。“米国式”の熱い歓声を肌で感じながら、世界最高峰の舞台に気分も高まっていく。

続くパー3では、狙いよりもやや左に出てしまった球がグリーンをこぼれてボギーに。それでも努めて冷静だった。9番パー3では2メートルにつけてバーディ。トップ10圏内で後半へと入った。

最後までこのいい流れに乗り切れなかったのは、直後の10番でボギーを喫したから。ドライバー、フェアウェイウッドで丁寧に手前の花道まで運んだが、3打目のアプローチがグリーンをオーバーすると、パターを選択した4打目は傾斜を越えず、同じ場所に戻ってきた。5打目を3メートルまでなんとか寄せて、これを決めるガッツボギーに。「ダボだけは打ちたくないと思っていた。本当に絶対入れると思って打ちました」という、最小限のスコアロスだった。

11番を連続で落とすと、ここから耐える場面が続いてく。パーを拾いながらも後半は3ボギー。前半の“貯金”を吐き出してオーバーパーにしたことは悔やまれるが、「自分が思っているより落ち着いてプレーができた。タテ距離が合ってないホールもあったので、風の読みと外していいところのマネジメントで番手選びを考えたい」と2日目を見据えている。

午後2時31分にスタートして、ホールアウトしたのは午後8時。「長かったですね。疲れました。いい時間帯では回れないことは分かってたけど、やっぱりタフですね」。西日が強くなるなか、笑顔でホールアウト。午前8時46分スタートの2日目ティオフまでに、まずはしっかり体を休めたい。(文・笠井あかり)

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