「壱岐のモンサンミッシェル」が崩壊の危機 内海湾の小島神社 観光客増で参道傷む 長崎

干潮時に参道が現れ、観光客が絶えない小島神社(田河まちづくり協議会提供)

 日本遺産「国境の島 壱岐・対馬・五島」に含まれる長崎県壱岐市芦辺町の「内海湾(うちめわん)」に浮かぶ小島神社の参道が、観光客の増加により傷みが進み、崩落の危機に直面している。地元の田河まちづくり協議会(釆田(うねだ)眞治会長)が改修工事費を捻出しようと、クラウドファンディング(CF)で寄付を募っている。最終目標は1000万円で、7月31日まで。

 神社は小さな島にあり、干潮時に参道が現れ、歩いて参拝することができる。神秘的な現象が話題となり、フランスの世界遺産になぞらえ「壱岐のモンサンミッシェル」とも呼ばれており、想定以上の参拝者が訪れるようになった。

観光客の増加により傷んだ小島神社の参道=壱岐市芦辺町(田河まちづくり協議会提供)

 市の貴重な観光資源となる一方で、参道は地盤が軟らかく、徐々に崩れて大きな積み石が露出している。これまで神社の氏子会(末永和平代表)が手作りで整備してきたが、落石事故が心配されており、早急な改修工事が必要と判断。氏子会は高齢化などで17戸まで減少しており、田河まちづくり協議会が協力して、安全を確保するために適切な基礎工事や階段、手すりなどの整備をすることにした。
 工事は8月に着工し、12月ごろ完成予定。費用は満潮時に作業ができない「潮待ち」などの特殊条件もあり、500万~700万円が見込まれているが、宗教施設のため市の補助は受けられない。釆田会長は「地域が直面する課題を解決し、次世代につなぐ取り組みに理解と支援をお願いします」と話している。
 CFは「レディーフォー」のサイトで実施。返礼品は支援金に応じてお守りや御朱印、石塔への刻名などを予定している。問い合わせは平日に同協議会の松本俊幸事務局長(電080.1386.9433)へ。

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