【対談】篠山竜青×スポーツドクター辻秀一氏〜「今」を全力で楽しむことの大切さ〜

医療メディア「Medical DOC(メディカルドック)」にて、川崎ブレイブサンダースの篠山竜青と、スポーツドクターとして一流選手たちに「心」の重要さを伝える辻秀一氏が対談を行った。

辻氏の代表的著書であり、漫画家・井上雄彦氏も推薦する『スラムダンク勝利学』(集英社インターナショナル、2000年発売)を、中学生の頃から読んでいたという篠山。「あの本と出会って、メンタルコントロールとかメンタルトレーニング、また自分の夢や目標への向かい方を学びました。だから今日こうして辻先生と対談するのは、自分の恩師と会うような感じ」だと言う。

対談はまず、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の話題から始まった。篠山は4回、辻氏は15回映画館に足を運ぶほど、作品から大きな感銘を受けたという。

2019年、篠山は作者の井上氏と対談する機会があった。「その時に先生が『(漫画では)ポイントガードを描き切れていないと思っている』とおっしゃっていました。その時はもちろん映画制作中とは知らず、そうなんだ、くらいに思っていましたが、2022年になって映画を観た時『あの日の言葉はそういうことだったのか!』と身震いしました」と語る。

辻氏がスポーツドクターの観点から、スラムダンクの主な登場人物の「ライフスキル」(自分の心を整えるためのスキル、思考の習慣)を解説し始めると、興味津々に耳を傾ける篠山。例えば桜木花道ならば「何事にも一生懸命」、流川楓ならば「負けず嫌いなチャレンジ力」、赤木剛憲(ゴリ)ならば「根拠なき目標への情熱」と、一人一人に異なるライフスキルを持っている。

そこで辻氏から「竜青くんのライフスキルは?」と質問されると、「一番大事にしているのは『楽しむ』ことですね。北陸高校時代に、キツい練習のときこそバカになって大声を出す、キツさも楽しめると喜びになると学んでからは、『楽しむ』をずっと自分の基盤にしています」と篠山。

それは『THE FIRST SLAM DUNK』の宮城リョータとも深くつながる部分がある。内心では緊張や焦りがあっても、決してそれを表情には出さない宮城のライフスキルも、「バスケを楽しむ」ことだ。

また、篠山はチームのムードメーカーとして、これまで常に“ゴキゲン”でいることを心掛けてきたという。辻氏いわく、ゴキゲンでいることには大きく分けて「パフォーマンスの質」「成長」「健康」「人間関係」という4つの面でメリットがある。辻氏は「怒ったりイライラしたりすることもありますが、だからこそ自分の機嫌をとっていくスキルが必要です」と言う。

篠山が、自分の機嫌を取るためによくしているのは「好きな音楽を聴くこと」。ただ、試合中などは音楽を聴いたり歌ったりしている場合ではない。辻氏は、そんなときこそ「『今に生きる』『目の前のことに全力を尽くす』ですね。人間って、過去や未来への思考が脳に搭載されているので『今』を忘れがちですが、一秒ごと、一瞬ごとにリセットし、今に集中して全力で楽しむことが大事です。ピンチのときこそゴキゲンを保つのは非常に重要なライフスキルです」とアドバイスを送っていた。

対談を終え、篠山は「先生といろいろお話ができて、新たな発見もありました。プロになっても未だに、悩むことや葛藤、不安は多い。まだまだ学ぶべきところがたくさんあるなと思いました」と感想を述べる。

対談の模様は「Medical DOC」にて記事「【スラムダンク】湘北高校に受けた影響。自分の心を動かす習慣とは」
にて、紹介されている。また、下記YouTubeでも対談の模様を公開中。ぜひチェックしてみよう!

<動画前編>

<動画後編>

■「Medical DOC」HP

https://medicaldoc.jp/

■「Medical DOC」YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/@medicaldoc4071

(月刊バスケットボール)

© 日本文化出版株式会社