「南水北調」プロジェクト、北京への送水量100億立方メートル到達

「南水北調」プロジェクト、北京への送水量100億立方メートル到達

 【新華社北京6月14日】中国南方地域の水を北方地域に送る「南水北調」プロジェクトの中央ルート第1期プロジェクトは、2014年末に全線が通水して以降、北京への送水量が12日午後3時20分時点で100億立方メートルに達した。同市水務局が同日、明らかにした。

 水質は、地表水の環境基準のⅡ類(主に生活飲用水。一級保護区、希少魚類保護区、魚・海老産卵場)以上を一貫して維持し、直接的な受益者は1600万人を超え、同市の主要な水源となっている。

 同局給水管理処の周政(しゅう・せい)副処長によると、「南水(南部から届く水)」の受益人口を増やすため、北京は郭公荘、亦荘、石景山などに1日当たりの処理能力が470万立方メートルの浄水場を立ち上げた。「南水」の供給エリアを拡大するとともに、都心部の給水安全係数(給水システムが適切に給水できる能力の需要に対する比率)を1.0から1.3に引き上げた。水の浄水・配水分野にも力を入れ、浄水場の水処理プロセスの改良、老朽化した水道管の改修、独自の給水施設を持つ住宅団地や企業の水源置換などに取り組み、「南水」の給水品質を維持すると同時に、利用率を高めている。

 北京市の河川・湖の生態環境は「南水」の給水を受けて以降、徐々に回復し、水域の生態系機能も大きく向上した。同市水資源調達管理事務センター調達管理科の李述(り・じゅつ)科長は、市内の河川・湖がここ数年、全面的に浄化され、水域の生態環境は改善が進み、水生生物の多様性も高まっていると説明した。

 同局の担当関係者は、北京市が「南水」の給水を受けてもなお水不足が深刻な超大型都市だと指摘。そのため、節水、汚染対策、水源確保を最優先に、節水型の社会構築に尽力しているとした。(記者/田晨旭)

 

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