村民の生活を彩る「三色ちまき」 中国海南省

村民の生活を彩る「三色ちまき」 中国海南省

 【新華社海口6月11日】中国海南省瓊中(けいちゅう)リー族ミャオ族自治県の新寨村では旧暦5月5日の端午節(今年は6月10日)直前、村民たちが作業場に集まりちまき作りに精を出した。同村の「三色ちまき」は一般に市販されているものとは違い、ハグロソウやウコン、トウカエデの葉などの植物の汁液で赤、黄、紫の3色に染めており、色鮮やかで香りも良い。

 「三色飯」はリー族やミャオ族の伝統グルメ。人々は旧暦3月3日などの重要なお祭りの時に山蘭糯米(リー族に伝わる稲の品種、もち米)を使って「三色飯」を作り、客をもてなす。新寨村の村民、王積随(おう・せきずい)さんは「三色ちまき」を作りながら、「私たちはちまき作りに昔から伝わる『三色飯』の製造方法を用い、山蘭米のもちもち感を残し、自然の植物の香りも取り入れている」と話した。

 ちまき作りは同村の特色ある産業と融合している。地元政府は新寨村に投資して、ちまきの皮になる植物の育苗拠点を建設した。村民はそこで栽培された苗木を使って林地でちまきの皮になる葉を生産している。村に設立された企業は数百ムー(1ムー=約667平方メートル)の遊休田を利用して村民に山蘭米の大規模栽培を促した。これらの原材料は村の加工工場でちまき作りに使われるほか、外部に販売して利益を得ることもできる。

 新寨村の黄啓君(こう・けいくん)さんによると、ちまきの販売は受注制で、顧客の注文に応じて生産をしているが、今は供給が需要に追いついていない。次のステップでは、生産の標準化レベルを向上させ、電子商取引(EC)による販売を展開し、生産量をさらに拡大する必要があるという。(記者/羅江、趙玉和、黎多江)

© 新華社