ジャガーズQBローレンスが5年432億円の契約延長に合意

ジャクソンビル・ジャガーズのトレバー・ローレンス【AP Photo/Peter Joneleit】

わずか2週間前、クオーターバック(QB)トレバー・ローレンスはトレーニングキャンプが始まる前に契約延長を済ませたいと話していた。その願いが早くも叶ったようだ。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地13日(木)に情報筋の話として報じたところよると、ローレンスがジャクソンビル・ジャガーズと5年2億7,500万ドル(約432億4,773万円)の契約延長に合意したという。この契約には2億ドル(約314億4,760万円)の保証金と、サイン時に全額保証される1億4,200万ドル(約223億2,779万円)が含まれている。

ローレンスはこの契約で年平均5,500万ドル(約86億4,809万円)を受け取ることになり、これらの数字は総額と年平均額でリーグトップのQBジョー・バロウ(シンシナティ・ベンガルズ)の契約に匹敵する。

バロウとは異なり、ローレンスの将来性は少なくともフットボールの観点から見れば、それほど信頼性が高くはない。

ローレンスのこれまでの道のりは、ジャガーズが2021年NFLドラフトの全体1位でローレンスを指名したときに多くの人々が期待していたほど、順調ではなかった。ローレンスのルーキーシーズンは、最初のヘッドコーチ(HC)アーバン・マイヤーによって引き起こされた混乱でほとんどすべてが台無しになっており、ジャガーズは2021年シーズンの13試合目が終わった後にマイヤーを解雇している。

ダグ・ペダーソンHCは2022年にローレンスが軌道に戻るのを助け、後半に勢いに乗ったジャガーズは最後の9試合で7勝を挙げており、最終的に9勝8敗でシーズンを締めくくり、2017年以来となるプレーオフ進出を遂げている。2022年シーズン後半の活躍でローレンスはフランチャイズの顔となり、その期間にパス成功率69.7%、2,273ヤード、タッチダウン15回、インターセプト2回という成績をマーク。その年のプレーオフでは、スーパーワイルドカードウイークエンドに行われたロサンゼルス・チャージャーズ戦で劇的な逆転勝利を挙げ、まさにブレイクを果たしたかのように見えた。

クレムソン大学時代から期待されていたローレンスの潜在能力が、ついにNFLで開花し始めたのだ。

しかし、2023年は同じようにはいかなかった。ジャガーズは接戦を落とし続け、それに伴ってローレンスの成績も低迷。2023年のタッチダウン数は減り、パサーレーティングも低下し、インターセプト数は2022年に比べて増えた。ジャガーズはプレーオフに駆け上がるどころか、シーズン後半に失速し、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区の新星——ヒューストン・テキサンズとQBのC.J.ストラウド——にプレーオフの出場権を奪われる結果となっている。

ローレンスとの契約のタイミングは最適とは言えず、ジャガーズが急ぐ必要もなかった。ジャガーズがローレンスに確信を持てなかった場合、2024年シーズンを通して見極めてから、2025年に5年目オプションを行使することで、ローレンスを確保するという選択肢もあったのだ。

しかし、ジャガーズは今このタイミングでローレンスと契約することを選んでいる。ローレンスの実績とバロウの実績を比較すると、この契約には驚く人もいるかもしれない。バロウはAFCチャンピオンシップゲームでの勝利とスーパーボウル出場という輝かしい実績を有しているが、両者にはそれぞれ懸念点もある。バロウがこれまでのキャリアで15試合を欠場している一方、ローレンスは2023年シーズンの途中まで一度も欠場したことがなかった。

ベンガルズはバロウに対して躊躇なく資金を投入した。ジャガーズも同様の動きに踏み切り、2024年シーズンを前にローレンスへのコミットメントを示した。このシーズンは、少なくともコーチングスタッフにとっては、チームの将来に向けてにわかに重要なものとなるかもしれない。

一つ確かなことがある。すなわち、ローレンスはどこにも行かない。契約がまとまった今、あとは復活のシーズンに向けて準備を整えるだけだ。

【KO】

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