【マーメイドS/データ攻略】注目の上がり馬に「0.0.3.12」の壁 前走勝利の影に“凡走の兆候”あり

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今週は京都競馬場でマーメイドS(芝2000m)が行われる。今年は連続開催の京都芝開催。馬場コンディションにも注視したい牝馬限定のハンデ重賞だ。

ここでは、過去10年からエーデルブルーメアリスヴェリテにフォーカスしたデータを取り上げる。

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エーデルブルーメに「2.2.1.3」の好データ

前走3勝クラスを制して臨むエーデルブルーメ。戦前の人気を考えたとき、福永厩舎が挑む6度目のJRA重賞でもっともチャンスの大きい1頭と言えそうだ。重賞のメンバー相手に胸を借りる形となる今回は半信半疑の評価にも映るが、データ面から推せる材料は以下のとおり。

・前走3勝クラスで4着以内かつ前走から継続騎乗【2.2.1.3】

8頭中5頭が馬券内を確保。条件戦から臨む馬の出走が珍しくない本レースにおいて複数の好走馬を輩出しているデータだ。前走3勝クラス好走×継続騎乗で臨む馬の信頼度の高さがうかがえる。

エーデルブルーメについて補足すると、良馬場成績【3.3.4.1】が示すようにきれい馬場コンディションでこそ真価を発揮するタイプ。週末は雨が降らない予報の京都はこの馬の力を存分に出し切れるシチュエーションだ。福永厩舎の初重賞Vに向けて確実に追い風は吹いている。

■アリスヴェリテに【0.0.3.12】の不安要素

エーデルブルーメとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがアリスヴェリテだ。こちらは2勝クラスから臨む馬だが、前走は1000m通過56秒8の超ハイペースを刻み、芝2000mを1分57秒8で駆け抜けた。スリリングな脚質も含め穴人気が予想される1頭も、再度の逃げ切りに「NO」を突き付けるデータとは?

・前走馬体重がプラス10キロ以上【0.0.3.12】

連対馬ゼロの“0%データ”に抵触。3度の3着がある点は救いと言えるが、やはり連対圏まで届いていない事実が引っかかる。信頼度の面でワンランク落ちてしまうところがネックとなっている印象だ。

開催が進んだ京都芝は徐々に外差し馬場が進行中。加えて今回は同型馬のベリーヴィーナスがいることで、2頭が競り合ってハイペースの差し決着を演出してしまう可能性は否定できないだろう。展開を左右するキーホースだが、展開と馬場と踏まえると評価を上げるには至らない。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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