ある意味切り捨てる作業のメンバー選考で“もっとも悩んだポジション”は? なでしこジャパンの池田監督が記者を直視して回答「切り捨てるというよりは…」

2024年6月14日、パリ五輪に臨むなでしこジャパンのメンバーが発表。池田太監督は「今日発表させていただくメンバーだけでなく、それ以外の選手の活躍も嬉しく感謝しています」と挨拶したのち、「オリンピックで選手たちが躍動することが女子サッカーの発展につながると責任を感じています」とコメントした。

選ばれたメンバー18人は以下の通りだ。GKが山下杏也加、平尾知佳、DFは熊谷紗希、清水梨紗、北川ひかる、南萌華、高橋はな、古賀塔子、MFは清家貴子、長谷川唯、林穂之香、長野風花、宮澤ひなた、藤野あおば、谷川萌々子、FWは田中美南、植木理子、浜野まいかである。ちなみに、バックアップメンバー4名は、GKの大場朱羽、DFの守屋都弥と石川璃音、FWの千葉玲海菜だった。

このメンバーを見て、選考にはかなり苦労しただろうと勝手ながら思った。なので、せっかくの機会だから会見の席で池田監督に質問した。

「メンバー選考でもっとも悩んだセクションもしくはポジションはどこでしたか? ある意味(メンバー選びは)切り捨てる作業との見方もできますが、その作業をするうえでの心の葛藤なり苦悩を教えていただけますか」

それに対して池田監督はこちらをまっすぐ見ながらはっきりと答えてくれた。

「選手選考は色んな角度から考えなくてはなりません。ポジションの部分ではサイドの選手。(パリ五輪で)中2日のゲームをやっていくなかで選手のローテーションを考えつつ、ポジション適性、高さ、速さ、日程をこなせるタフさ、フィジカル的な強さなど色んな要素を踏まえて“何を取るか”、そういったことに着目してメンバーを選びました」

「なかなか答になってないと思いますが」と池田監督は断りつつ、言葉を継いだ。

「切り捨てるというよりは色んな選択肢の中から選んだ流れでした」

少し偏屈な質問にも、記者、選手へのリスペクトを忘れずに答えてくれた池田監督。パリ五輪での躍進を期待したい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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