最盛期のはずが「ウメ」不作 入荷は例年の半分以下 道の駅や酒蔵も困惑 暖冬影響か 福岡

連日、暑い日が続く中、夏バテに効果があるとされる「ウメ」に異変が起きています。

福岡県うきは市の道の駅うきは。

◆道の駅うきは 山平健二さん
「初めてだと思う、ここまで少ないのは。1年かけて育てて一生懸命育てたのに、実がなっていないのは。(農家は)本当にがっかりされている状況」

異変が起きていたのはウメ。

例年、5月上旬から6月末までが出荷の最盛期ですが、13日入荷したのは、カゴ2つ分のみ。

例年の半分以下です。

◆買い物客
「こんなに梅が少なくて、少ないから高い。初めてです。梅をずっと漬けてきたけど、毎日1個食べる分を半分食べたり、そういうふうにしている」

◆買い物客
「私は(朝倉市)大山の方で頼んでいたけど、今年はないからと断られて、買いに来たところ。(数がないから)また他のところをあたってみようと思っている」

不作の原因は、暖冬によってウメの開花が早まり、受粉が上手くいかなかったこととみられています。

梅の不作で、大きな影響が出ているのが梅酒です。

福岡県筑後市で130年以上続く酒造。

5月に仕込んだばかりの梅酒が入ったタンクを見せてもらうとー

◆工場長
「今澄み切った状態ですけど、これが琥珀色に変わっていきます。量はもうちょっと入れたかった」

西吉田酒造で作っている「つくし梅酒」。

焼酎の原酒に県内産の南高梅を2年ほど漬けて仕込む自慢の商品で、今年は海外からの需要が増えたため3割ほど増産する予定でした。

しかしー

◆西吉田酒造・7代目蔵元 吉田元彦社長
「今年は残念ながら八女産の梅だけでは揃わなかったので、佐賀県伊万里の梅農家さんを紹介してもらい、そちらからも買うようにしました。梅酒を作り始めて十数年になりますが、その中では初めての経験です」

例年、ウメを仕入れている福岡県八女市の農家から購入できたのは希望の3分の2だけ。

仕入れ値も例年1キロ500円前後だったものが、今年は1000円近くまで高騰。

商品の値上げも検討せざるを得ない状況だといいます。

◆西吉田酒造・7代目蔵元 吉田元彦社長
「燃料費などが高騰してるので、若干の値上げは元々考えていた。それだと梅の値段の上昇に応えきれないところがあるので、ちょっと今苦しいところ。あまり上げたくはないけど」

夏バテにも効くクエン酸も豊富に含まれるウメ、これからの時期、重宝される中、影響が心配されます。

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