中国夏の新トレンド、ショッピングモールがレジャーランドに変身

中国夏の新トレンド、ショッピングモールがレジャーランドに変身

7日、北京市豊台区のショッピングモールで潮干狩りを体験する子どもたち。(北京=新華社記者/許芸潁)

 【新華社北京6月14日】本格的な夏を前に、中国では総合ショッピングモールが家族連れにとって人気のお出かけスポットの一つとなっている。潮干狩りやエビ釣り、乗馬トレーニング、小動物との触れ合いなど、さまざまな体験ができるモールは「親子のレジャーランド」に変化しつつある。

 児童向け遊園地などのレジャースポットだけでなく、最近は総合ショッピングモールにも多くの斬新なアトラクションが導入されている。モール内に設置された人工ビーチで魚釣りやエビ釣り、カニ捕りが楽しめ、子どもたちに大人気となっている。交流サイト(SNS)では「ショッピングモールでエビ釣りを楽しむ」という話題がトレンド入りした。

 ミニ動物園を設置するモールもある。ハムスターの餌やり、オウムとのおしゃべり、アルパカの見物など、子どもたちはモール内で動物と触れ合い、習性や特徴を学んでいる。

 このほか、乗馬トレーニングや仮想現実(VR)体験などのハイエンドなプログラムを取り入れた施設もある。わざわざ郊外の乗馬クラブまで行かなくても、自宅近くのモールで基本的な技術が習得できる。VR体験では、専用ゴーグルを着用した子どもたちが仮想世界を探検し、テクノロジーがもたらす楽しさを実感している。

中国夏の新トレンド、ショッピングモールがレジャーランドに変身

10日、北京市豊台区のショッピングモール内にあるVR体験エリア。(北京=新華社記者/許芸潁)

 親子でさまざまな体験を満喫した後は、楽しい食事が欠かせない。多くのショッピングモールには子ども向けの食事を提供する親子レストランがある。北京市豊台区にあるモール内の親子レストランで食事をしていた劉(りゅう)さんは「よく子どもを連れて来ている。午前中は遊園施設で遊び、お昼はここで食事をして、午後は乗馬教室に通っている。子どもは一日中楽しめるし、親も心配することがなくて気楽」と語った。

 SNS上では、屋内での潮干狩りや動物との触れ合いといった新たな自然との関わり方について、議論が活発化している。一部の保護者は、幼い頃に自然と触れ合う機会の少なかった子どもの経験を補い、あり余るエネルギーの発散にもなり、保護者の負担を減らす手段になるとの見方を示す。一方、できるだけ子どもを本当の自然に連れて行くべきだと考える保護者もいる。

 ここ数年、親子旅行や親子体験イベントなどのコト消費は、親子が楽しい時間を共有する重要な手段となっており、体験型アクティビティーは、家族の絆を深め、子どもの社会性や興味、関心を育むことにもつながる。ショッピングモールは、親子消費のブームを捉え、差別化競争を通じて親子向け施設をますます充実させている。新業態の発展は、さらに多くの顧客と売り上げをモールにもたらしている。(記者/許芸潁)

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