「娘はフラッシュバックで日常生活もままならない」被害者両親が訴えた悲痛 女の子の下半身を撮影したなどの罪に問われた元小学校教諭の裁判で意見陳述

広島県福山市内の小学校で、女子児童の下半身をカメラで撮影するなどしたとして強制わいせつなどの罪に問われた元市立学校の教諭の男(51)の裁判が14日、広島地裁福山支部で開かれました。裁判では被害者の両親が意見陳述のため出廷し、「娘が安心して生活できるよう、可能な限りの重い処罰を願う」と述べました。

起訴状などによりますと男は、2019年11月から翌年1月まで、勤務先だった福山市の小学校で、女子児童(当時10代)の下着をずらし、デジタルカメラで撮影するなどしたとされています。

14日に開かれた裁判には被害者の両親が出廷。父親は「被害者には加害者の陰がつきまとう。被告人につけられた心の傷は治らない」と述べた上で、娘が被害を訴えた理由を「他の子を自分と同じ目に遭わせたくない」からだったと、静かに話しました。

母親は、「娘は事件で、一生懸命取り組んできたスポーツも続けることができなくなった。フラッシュバックで日常生活もままならず、理科室には近づけられない。生きていることもつらいと、学校にも行きづらく、現在、心療内科に通っている」と娘の傷みやつらさを涙に震えながら訴えました。

その後の論告で、検察側は「性欲のおもむくまま強制わいせつを行った動機は悪質。再犯の可能性は高い」として懲役7年を求刑。弁護側は「妻と離婚し子どもとは絶縁中であるなど社会的制裁を受けている」としたうえで、更生へ向けた専門プログラムに継続して取り組めるよう執行猶予付きの判決を求めました。

男は最後に、「丁寧な言葉で気持ちを言っていただき、両親の言葉を聞くことができた。すべてその通りで、私の反省がぜんぜん足りていなかったと痛感した」と述べました。

判決は7月16日に言い渡されます。

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