併合4州から撤収なら交渉用意 ロシア大統領「現実的和平案」

14日、モスクワのロシア外務省で演説するプーチン大統領(タス=共同)

 【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領は14日、モスクワの外務省で同省幹部を前に演説し、ロシアが侵攻後の2022年9月に一方的に併合したウクライナ東部・南部4州からウクライナ軍が全面撤収し、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟を放棄すれば直ちに攻撃を停止し、交渉を開始する用意があると述べた。

 プーチン氏はウクライナや支援する欧米に対する「現実的な和平提案」だとし、和平の条件として、東部・南部4州を国際条約でロシア領と規定することや対ロシア制裁の解除も挙げた。

 ウクライナが提唱する和平案を協議する「世界平和サミット」が15日からスイスで開催されることに「ロシアの参加なしにウクライナや欧州の安全保障に関する平和的な解決は不可能だ」と訴えた。プーチン氏は同サミットを前にロシア側の立場を明確にしたとみられる。

 ウクライナ支援のために欧米が凍結したロシア資産を活用することには「窃盗だ」と非難し、対抗措置を示唆。欧米で指摘されるロシアが欧州の攻撃を狙っているとの見方には「全くばかげている」と強調した。

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