「下請け」は差別的?改名案浮上 公取委、20年前は見送り

公正取引委員会の庁舎内にある「下請」を冠した部署の看板=10日、東京・霞が関

 「パートナー法」?「協力法」?―。買いたたきなどの不当な扱いから中小企業を守る「下請法」の改名案が浮上している。差別的な意味合いが含まれるとの業者側の指摘を受けたものだ。20年ほど前にも一度検討され「利点が少ない」と見送られた経緯があるが、法律を所管する公正取引委員会の担当者は「機運は高まっている」とみる。

 「『下』という言葉を聞くたびに嫌な思いをする」。3月の参院予算委員会で公明党の西田実仁氏は、物価高に伴う適切な価格転嫁について質問する中でこうした中小企業の声を紹介した。「法律名を変えてもいいのではないか」との提案に、岸田文雄首相は「下請け事業者をパートナーと呼ぶ動きが広がっている。幅広く検討していきたい」などと応じた。

 5月には、自民党の調査会が「『下請け事業者』に代わる用語を検討すべきだ」などと提言。事業者の意識も1956年の法律施行時から変化したとして「もはや時代遅れだ」と指摘した。

 下請法は正当な理由がない代金の支払い遅れや買いたたき、納入品の返品などを禁じている。

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