北陸新幹線開業の敦賀市、新たな産業団地を検討 港整備も追い風、企業進出に対応

市議会一般質問で答弁する米澤光治市長(中央)=6月14日、敦賀市会議場

 福井県敦賀市の米澤光治市長は6月14日、市内の産業振興や人口減少対策の観点から、新たな産業団地造成に向けた検討を進めていく考えを示した。10ヘクタール程度の中規模な団地を想定している。北陸新幹線県内延伸や敦賀港の整備などを追い風に、企業進出に関する問い合わせが増えていることに対応する。

 市議会本会議で今川博議員(市民クラブ)への一般質問に答弁した。

 市内では市産業団地(莇生野)と第2産業団地(田結)の全区画が完売している。市は2022年度に新産業団地の適地調査を実施するとともに、県が計画する産業団地の候補地として名乗りを上げた。いったん候補地として採択されたが、造成費が想定以上にかかる見通しのため、事業化に至らなかった経緯がある。

 県は本年度改めて産業団地の候補地を公募しているが、開発面積20ヘクタール程度が要件となっており、米澤市長は「要件を満たす用地は(市内には)見当たらないことから今回は応募を断念せざるを得ない」と説明。その上で「敦賀には港があり、高速道路の結節点であり、新幹線も延伸された。企業に注目され、いろいろなお声がけをいただいている。企業にとっては必ずしも大きな面積が必要ということばかりでもなく、中規模な面積でも条件が合う話もある」とし、市主体で整備を検討していくとした。

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 市は22年度に行った適地調査も踏まえて複数箇所から場所を選定していく。造成や分譲開始時期は未定。市商工貿易振興課によると、トラック運転手の残業規制による「2024年問題」を背景に、敦賀港に荷物を上げて、大阪や京都、名古屋まで比較的短い距離をトラックで運べる敦賀の地理的優位性から、企業進出に関する相談や問い合わせが増えているという。

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