「井上尚弥は公平にやって勝った」 敗戦を受け止めたフルトンが再起戦へ「自分に怒りを覚える」

スティーブン・フルトン【写真:荒川祐史】

フルトンが井上尚弥戦を回顧

ボクシングの前WBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)が、昨年7月に現世界同級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)に敗れた試合を改めて回顧した。米専門メディア「ザ・リング」に対し、「あの試合で多くを学んだ」と敗戦を受け止めたうえで「イノウエにケチをつけるところはない。偉大なボクサーだ」としている。

フルトンは同級2団体統一王者だった昨年7月、バンタム級から転級したばかりの井上に8回TKO負け。プロ初黒星で2つのベルトを失った。階級を1つ上げてフェザー級転向。WBA世界同級1位にランクインし、当初は今月15日(日本時間16日)に同級8位ルイス・ヌニェス(ドミニカ共和国)と対戦する予定だった。

だが、米専門メディア「ザ・リング」は「フルトンは8月10日、ラスベガスでロニー・リオスとの再起戦に臨む予定だとリング誌は伝えられた」と報じ、相手が同級13位ロニー・リオス(米国)になったとしている。さらにフルトンが井上戦を振り返ったコメントを紹介。「あの試合で多くを学んだ。もっと懸命にトレーニングすべきだった」とし、こう続けている。

「それ以外には特に多くは言いたくない。今は違う思考になっている。武器を加えられたんだ。もう(敗戦を)乗り越えているよ」「あの試合について話すことに抵抗はないんだ。もっと良いパフォーマンスができたはず。わけのわからない意見を押し付けてくるヤツもいるけどね。俺は122ポンド(スーパーバンタム級)の体重をつくるのに必死だったんだよ」

フェザー級で再起し、王座返り咲きをしたいところ。フルトンは「パンチも思うように打てなかった。イノウエにケチつけることは一切ないよ。彼は公平にやって勝った。偉大なボクサーで俺にチャンスをくれたんだ。ただ、自分自身に怒りを覚えるだけだ。もっと良いボクシングができたってわかっているからね」と、あくまで敗戦は自身の問題だったと強調している。

THE ANSWER編集部

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